2017.09.08
大沢伸一「MS-20 Kit」インタビュー Powered by CINRA.NET
都内某所にある大沢さんのプライベートスタジオ。今からおよそ10年前に設立し、以来、作詞作曲アレンジはもちろん、レコーディングからミックスダウンまでほぼ全ての作業をここで行なっているそうです。ゲストボーカリストを呼んで、仮歌や本テイクのレコーディングを行うのはもちろん、ときには弦楽器を録ることも。今作『何度でも新しく生まれる』に収録された“ラビリンス”のストリングスも、このスタジオで録ったそうです。
スタジオ風景
| お気に入りの機材:KORG「MS-20 Kit」
KORG「MS-20 Kit」( 現行ラインナップ )
アナログシンセの音色が大好きだという大沢さん。1980年代にはオリジナルのMS-20を所有していたそうです。手放したのは随分前で、「そろそろ買い直そうかな」と思っていたタイミングでMS-20 Kitが発売されたため、すぐに購入を決めました。
大沢 :当初はライブで使おうと思って買ったんですけど、今そのバンドは休止しているので、最近はちょっとご無沙汰です。使い方としては、そんなに複雑な音を出すのではなく基本的な音色が多い。
セミモジュラーなので、パッチングでいろいろできるんですけど僕はシンプルにオシレーターを1つか2つ使って、ノイズを足したりすることが多いかな。アブストラクトな音色を出せるところも気に入っていますね。モノシンセなので、何をどう操作しても間違いにならない。そこがモノシンセの強みではないでしょうか。
楽器や機材にこだわらず、作品のなかに偶然性やアクシデントを積極的に取り入れ、人選をスタッフ任せにしても、大沢さんらしさやMONDO GROSSOらしさはなくならず、「むしろ、恐ろしいまでの『自分らしさ』が出てしまう」と話してくれた大沢さん。
「自分の考えているところよりもとんでもなく遠いところから始めないと、可能性って広がらないでしょう」。そう言い切れるのは、揺るがない自信があるからではないでしょうか。これからもきっと、我々の予想をあっさりと裏切るような作品を作ってくれることでしょう。
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