2014.04.14
島田 昌典「KRONOS X」インタビュー
KRONOSのこと
そして、この中にKRONOSがあるわけですね。
そうですね。
これだけの機材の中でKRONOSはどのような立ち位置として使われているのでしょうか?
もちろんアレンジ作業でも活用しています。例えばエレピのシミュレーション・サウンドや、KARMA機能などで発音するシーケンスっぽいものとかも実は多用しています。
ライブでも?
ライブで本当に使いやすいですね。セット・リスト・モードがすごく便利です。タッチ1発で切り替えができますから。オーガスタキャンプ2012でも使いましたし、「夢の乱入者」復活ライブでも使いました。オルガン音色も新しいものが出ましたし(※5)、すごく良いですよね。ライブの時は73鍵モデルを使っていたんですけど、シンセ系音色の演奏性を考慮して61鍵モデルも別途導入しました。
※5:新しいオルガン音色: KRONOSシステム・バージョン2.1により大幅に機能アップしたCX-3(内蔵音源)の新しいプリロード音色。
音の立ち上がりが何と言っても素晴らしいですし、エレピ系のシミュレーションも、目を閉じるともう区別できないぐらいのクオリティがありますよね。可搬性も考えると文句なしのレベルですよ。シンセ系音色ではPolysixも入っていますし、“コルグ・サウンド”の伝統がKRONOSにも受け継がれている感じがします。それでいて、ものすごくハイファイになっていますし。もちろん制作でも使っていますし、aikoのツアー(※6)がずっと続いていたんですけど、そのオープニングでは生じゃなくてKRONOSのストリングスを使ったんです。かなりリアルな音色が入っていますからそのまま使えました。あとはパッド系とか、シーケンス系の音色も素晴らしいです。
※6:aikoのツアー: 2013年7月から12月にかけて、「aiko 15th Anniversary Tour」と題して会場規模、セットリスト、演出などがそれぞれ異なる4種類のツアーを同時開催。
aikoさんもこちらに来られたりするんですか?
以前はよく来てもらっていました。他にも色んなアーティストの方々が来ていますね。
みなさん機材の量に驚かれたりしますか?
最初はね(笑)。あちこちキョロキョロしてますね(笑)。まぁGreat Studioという名前を付けていますが、気持ちとしてはアトリエのような感じですね。
しかし、これだけの機材をいつでも使える状態にしておくだけでも大変ですよね。ギターの弦を張り替えるだけでもかなりの量になりそうですし…。
あはは!(笑)張り替えている間に別のギターが張り替え時期に来たりして(笑)。まぁ、レコーディングの都度、張り替えるぐらいですけどね(笑)。
こういった雰囲気の中から楽曲が生まれて行って、その感じがリスナーのみなさんにも伝わっているんじゃないかと思います。
そうだと嬉しいですね。
島田さんご自身の活動として今後の展望などをお聞かせください。
アレンジやプロデュースと併行して、ライブを増やしていければと思っています。それと、このスタジオもバージョン・アップしたものを現在建設中でして、今まで以上に新しい音楽を目指していきたいです。
今度のスタジオというのは…?
全体的に今よりももう少し広くして、ブースでもリハーサルをしやすいように、という設計になっています。リハーサルからレコーディングまでの流れをこれまで以上にスムーズにしたいな、っていう思いがありまして、そこでバンド作品の制作なども増やせたらいいなって思っています。今はコンピュータを使った制作が多いですが、楽器から何か面白いものを引き出すというのがミュージシャンの基本だと思うんですよね。ですから、楽器を弾きながら、アンサンブルしていく中から生まれてくる曲であったり、バンドであったりというのが基本と言いますか、音楽の楽しさだと思うんです。そういう瞬間瞬間をピックアップして作品を作っていけたら良いなって思っています。
新しいスタジオでの活動も楽しみにしております!
ありがとうございます。
今回はお忙しい中、ありがとうございました。
島田昌典
ミュージシャン、アレンジャー、プロデューサー。手がけた代表曲はaikoの「カブトムシ」、FUNKY MONKY BABYSの「あとひとつ」など数知れず。今年、アレンジ・プロデュース活動30周年を迎える。
島田昌典氏のアレンジ・プロデュース活動30周年を記念して、氏のプロデュース・アレンジ作品を収録したワークス・ヒットコレクションアルバム『島田印-島田昌典ワークス・ヒットコレクション-』が、2014年4月16日に発売!!
また島田氏の誕生日の翌日、11/4には武道館でのスペシャル・ライブ開催も決定。このライブには島田氏の他、いきものがかり、秦基博らの出演が予定されています。