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2014.04.14

島田 昌典「KRONOS X」インタビュー

楽器も含めて「スタジオ」の音

楽器も含めて「スタジオ」の音

最近ですと、仕事の効率化も考慮してソフト・シンセなどで作業を進めるケースも多いと思いますが、Great Studioの機材の膨大さはすごく特徴的ですよね?

ソフト・シンセも今は非常によくできていますし、音も良いですからね。でも、ハードウェアも良いんですよね(笑)。ほら、そこにMellotronありますよ。

あ!すごい!

これはモデル400の復刻版(マークVI)です。

やっぱり、本物は良いですか?

音の厚さとか質感とかはテープならではで、サンプリングとはちょっと違います。テープの長さも鍵盤ごとに微妙に違いますから、アタックの感じなんかも違いますよね。ちゃんと(鍵盤を)押さえないと良い音で鳴らないですし(笑)。

いっぱい(鍵盤を)押さえるとピッチが微妙に下がったり…。

(笑)そうですね。

いきものがかりの「茜色の約束」(※3)に入っているフルートの音はこれでレコーディングしたものですか?

そうです、これです。

※3:「茜色の約束」: アルバム『バラー丼』収録。

 

aikoさんの楽曲でもよく登場しますよね。

そうですね。今アレンジしている制作中の曲(※注:インタビューは2013年12月)でも使ってますよ。

秦基博さんの「エンドロール」にも入っていますね。

フルートですね。あと、back numberの今度出るシングル「fish」でもストリングスを使っています。生のストリングスではなくて、こちらの哀愁ある感じで(笑)。ソフトでもかなり忠実に再現されているものがあるんですが、細かい部分となるとやはり本物が良いです。それと、最近流行っているんですかね。僕の周りで持っている人が結構いるんですよ。

KRONOSにもライブラリー(※4)がありますね。

元々入っていますよね。それとは別に、ってことですか?

※4:ライブラリー: EXs57 KARO Tape Instruments I、EXs58 KARO Tape Instruments II 詳細はこちら

別売であるんです。

あ、いいですね。チェックしたいです。

「その1台でしか出ない音」へのこだわりをすごく感じます。その他の機材も特徴的なものが多いですし。

MS-20のフィルターも使うことがあるんですよ。あの歪み感は独特ですよね。

すごいですよね、この物量といいますか…。

まだあちらのブースにもあるんですよ。どうぞご覧ください。
(と、島田氏と取材班はスタジオのコントロール・ルームからブースへ移動。そちらには60年代〜70年代のビンテージ・キーボードやアナログ・エフェクター、貴重なコンデンサー・マイクなどがギッシリ詰まっていました。)

いや〜すごく貴重な機材がたくさんありますね!ここで本番のレコーディングも?

本番も録れますね。ダビングも。以前はドラムもここで録ってたんですよ。ミックスもしますし。

このスタジオで生まれた名曲がたくさんあるわけですね?

(笑)海外のスタジオだと楽器もたくさんあるところもかなりあって、スタジオごとにユニークで独特なサウンドがありますけど、(このスタジオは)そういうイメージです。ミュージシャンにここへ来てもらった場合、特に若いギタリストはそれほどたくさんギターを持っているわけではありませんけど、楽曲に合ったギターを選んだりとか、アンプも色々変えてみたりとかそういうことがここでパッとできます。いわゆるスタジオですと、楽器なり機材なりを全部持って行かないとできませんから、それはなかなか難しかったりしますよね。実験とかチャレンジをその場ですぐにできるというのがこのスタジオの良さです。

確かにギターの量もすごいですね。島田さんご自身もギターを?

まぁ、なんちゃってですけどね(笑)。

めちゃくちゃ巧いと伺っていましたが…。

いやぁ、そんなことはないですよ(笑)。でも、ギターもハマると、色々大変ですね…(笑)。あっちも色々あるんですよ。どうぞご覧ください。

(コンソール周辺にはコンパクト・エフェクターなどが大量にありました。)