2017.06.16
D.A.N.「minilogue」インタビュー Powered by CINRA.NET
| 機材を遊ぶように触るところから、D.A.N.特有のサウンドは生み出される
ここは、都内にある櫻木さんの自宅兼プライベートスタジオ。部屋の中央には大きなデスクが置かれ、様々なシンセがところ狭しと並べられています。まずは櫻木さんが、この部屋で楽曲のモチーフとなるデモを制作し、外部スタジオでメンバーとセッションしながらアレンジを詰めていきます。再びそれを自宅に持ち帰り、DAWソフト内でエディットを加えながら完成させていくのだとか。つまりここは、櫻木さんが作曲を行い、メンバーとともにプリプロダクション / ポストプロダクションを行う、D.A.N.の音楽の「要」となる秘密基地です。
スタジオ風景
| お気に入りの機材:KORG「minilogue」
KORG「minilogue」( 商品詳細を見る)
国内メーカーとしては、早い段階からアナログシンセブームの先鞭をつけてきたKORG。「minilogue」は、スリムタイプの37鍵盤を搭載した本格的なアナログシンセです。アルミパネルが印象的なスマートなボディには、ステップシーケンサーやオシロスコープなど直感的に操作できる様々な機能を搭載。波形を視覚的に表示するオシロスコープ機能も、クリエイティビティーを刺激します。
櫻木 :デザインがいいですね。斜めにカーブになっているシェイプとかたまらないです。音作りもすごく簡単で、ツマミを直感的にいじるだけでいろいろな音色が作れるのは嬉しい。特に「ボイスモード」という機能が面白いんですよ。「minilogue」は4ボイスのポリシンセなんですが、「ボイスモード」はその鳴らし方を選べる機能で、ユニゾンやモノで使ったり、最大4音のアルペジエーターが動作したりして便利です。ライブでは、サポートの小林うてながこれを使っています。レコーディングでは僕が弾くこともあって、『TEMPEST』でも結構使っていますよ。
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| お気に入りの機材:ARTURIA「BeatStep Pro」
ARTURIA「BeatStep Pro」( 商品詳細を見る)
ソフトシンセ、アナログ&デジタルのハードウェアシンセ、ドラムマシン、iPadアプリなどを同時にコントロールできる、パフォーマンスシーケンサー。瞬時にアクセスできる16種類のプロジェクトにはそれぞれ16種類のメロディックシーケンス、16種類のドラムシーケンスパターンをメモリーできるため、これらを組み合わせれば、1プロジェクトにつき4000種類以上ものコンビネーションをプレイできます。
櫻木 :いわゆるシーケンサーなのですが、自分の好きな音源を組み合わせてリズムパターンが組めるのはとても楽しいですね。今は、リズム音源にVERMONA「DRM-1 MkIII」、上モノにmoog「Mother-32」をつなげて鳴らしています。こういうのをいじっているときに、曲の断片が思い浮かんだりするんですよね。作曲ツールとして欠かせないです。
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| お気に入りの機材:moog「Mother-32」
moog「Mother-32」( 商品詳細を見る)
moogにとって、初めてのテーブルトップ型セミモジュラータイプのモノフォニックシンセサイザー。32のオーディオとCVパッチ口、さらには32ステップシーケンサーを装備し、moog特有のフィルター機能もついて、店頭で8万円以下という価格も魅力です。もちろんモジュラー式なので、あらゆる音をパッチケーブル経由で入力し、「Mother-32」のフィルターやモジュレーションで音を加工することも可能。
櫻木 :まず、このルックスに惹かれました。小さくて可愛いですよね。でも、音はアナログシンセらしくぶっといんです。これでシンセベースの音を作ったり、パーカッシブなノイズを作ったりして遊んでいます。買ったばかりでまだ把握していないところもあるのですが、これから操作しながら手探りで見つけていくのが楽しみですね。
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様々なギターやシンセが並んだ、まるでコクピットのような、秘密基地のような櫻木さんのプライベートスタジオ。ここに三人が集まり、色とりどりの音をいじりながら、遊びながら、それがインスピレーションとなって、D.A.N.のあのミニマルかつ濃厚なサウンドになっていく。その様子を垣間見たような時間でした。
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