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2013.10.29

Crystal「microKEY & KROSS」インタビュー Powered by CINRA.NET

個性的な外見と音だけでなく
逸話も詰まったCrystalの機材たち

取材を始めようとすると、ご家族の方が、お茶と山盛りに積まれたりんごを差し入れてくれました。絨毯の上に座らせていただき、りんごを頬張りながら、機材やレコードに囲まれた部屋にいると、まるで学生時代の友達の家に遊びに来たかのような気分になります。そんなくつろいだ雰囲気のCrystalさんのプライベートスタジオには、シンセサイザーやシーケンサーの数々が、元・学習デスクの上などに積み上げられていました。いったい、どんな機材がCrystalさんの音楽を支えているのでしょうか?

microKEY

ほぼ毎月のように東京と長野を往復するCrystalさんは、新幹線の車内でも曲作りをしています。そんなときに頼りになるのが、KORGの「microKEY」。ノートPCをテーブルに置き、microKEYを膝の上に乗せながらソフトウェアシンセを使って曲作りをしているそうです。

Crystal:新幹線は集中して曲作りが出来るんです。移動中だけじゃなく、リハが終わってライブまでのちょっとした空き時間にも重宝しています。今は長野に住んでいますが、実は長野に対して強いこだわりがあるわけではなく、ゆくゆくはどこに住んでいても曲を作れるようになりたいので、これからはこういうことにも意識的に取り組んでいきたいと思っています。

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KROSS
KAOSS PAD KP3+

最近のライブでは、KROSSとKAOSS PADの組み合わせを愛用しているというCrystalさん。KROSSは、その音質もさることながら「軽くて持ち運びに便利」という地方在住アーティストならではの現実的なニーズを満たしてくれるのが嬉しいところだそうです。

Crystal:今までは、デカくて重いキーボードケースを1つ背負い、他の機材を詰め込んだトランクを引きずりながら新幹線に乗り込んでいたのですが、KROSSを使うようになってからは、キーボードケース1つと、そのポケットに入れた「KAOSS PAD KP3+」で済むようになりました。この2つは僕にとって必ずセットで使うもので、ライブでは、KROSSでフレーズを弾きながら、KAOSS PAD KP3+のエフェクトで音作りをするという使い方。KAOSS PAD KP3+は、指一本でパラメーターを激変させることが出来るので臨機応変なライブ演奏ではとても便利なんです。

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VC-10

1978年発売のアナログボコーダー「VC-10」。クラウス・シュルツェやPink Floydなど、プログレッシブロック系のアーティストを中心に使用された名機中の名機です。現在では、発売元のKORG社内にも残っていないという貴重な逸品。Crystalさんにお話をうかがっていると、とんでもないエピソードが……!?

Crystal:ボコーダー機能はKROSSにも入っているんですが、「VC-10」はやっぱり音が揺れるというか、良い意味でアナログな感じがいいんです。(((さらうんど)))でもたくさん使われているボコーダーパートは、このVC10とKORG「MS2000」で録音し、両方の音を重ねて使っています。実は、この機材はスチャダラパーのPVなどを手がけているSHINGOSTAR(シンゴスター)さんから頂いたもの。彼はシンセマニアで、使わない機材を自由に使わせてくれるありがたい存在なのですが、彼によれば、この機材はもともと立花ハジメさんが使用していたそうなんです。発売されて35年だから、僕とほとんど同い年だし、大事に使わなきゃいけないですよね。

(((さらうんど)))では、良質なシティポップを作りながら、都会とはかけ離れた長野の郊外にプライベートスタジオを構えるCrystalさん。周りの環境もあってか、お話をおうかがいしていると、とても自然体で音楽を楽しんでこられた方という印象でした。しかし取材中何度か「意識的になりたい」というキーワードが出て来てたように、今(((さらうんど)))の成功と共に、さらなる変革期に差し掛かっている印象も。「ポップスを極めたい」と夢を話す、(((さらうんど)))の3rdアルバムはどのような音楽になるのでしょうか? 今から楽しみです!


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