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2017.04.07

Tom-H@ck「monologue & KORG Gadget for Mac」インタビュー Powered by CINRA.NET

コンテンツをかたちにしていく場所、Tom-H@ckの新しいプライベートスタジオ
 
こちらはTom-H@ckさんの、できたてほやほやのプライベートスタジオです。以前は住居と制作スペースを一緒にしていましたが、自宅とは別にこの物件を手に入れ、仕事専用の部屋にしました。作編曲はもちろん、アーティストを呼んでボーカルやギターのレコーディングを行ったり、クライアントやスタッフとの打ち合わせを行ったり、様々な創作活動や会社業務ができる場所。今はまだ、機材の置き場所や部屋鳴りなど試行錯誤をしている最中とのこと。ここからまた、素晴らしい作品が生み出されていくのでしょう。

 

スタジオ風景




お気に入りの機材:KORG「KRONOS(88 Key Model)」

 

KORG「KRONOS(88 Key Model)」 (最新ラインナップ)

 

優れたミュージックワークステーションを作り続けてきたKORGが、2011年から販売している最上位機種。CX-3、MS-20、Polysixなど、往年の名機の音源、音色が搭載された、ワークステーションの集大成です。

Tom-H@ck :このスタジオのメインキーボードです。こいつ、ヤバイんですよ! プリセット音がとにかくハイクオリティーなのですが、なかでもエレピの音は、世界中で発売されているシンセのなかでも最強だと思いますね。

単にビンテージのエレピを再現するだけなら他にもいろんなシンセがありますが、これはオケのなかで鳴らしたときにちゃんとヌケてくれるんです。音のツヤ感、密度が尋常じゃない。「今」の楽曲のなかでも、ちゃんと存在感を放ってくれる。エレピだけでなくオルガン系の音も好きですね。特にチャーチオルガンがお気に入りです。

 



お気に入りの機材:KORG「monologue」

 

KORG「monologue」 (商品詳細)

 

4ボイスポリフォニックであるminilogueと共通するイメージのデザイン、操作性、ビルドクオリティーを持った、新世代アナログシンセサイザー。minilogueをベースにしながらも、サウンド面においてはまったく異なる部分をフィーチャーし、パワフルなモノフォニックシンセとして再設計されています。

Tom-H@ck :シーケンス機能を使ってみたら、びっくりしました。アナログ感を残しつつエッジの効いた音色になる。しかもすごい速さでフレーズを作ることができる。ツマミもシンプルで、マニュアルを読まなくてもすぐに音作りができるところもいいですね。

デザインも素敵です。背面が木になっているところとか、アナログシンセ好きにはたまらない。その辺のツボを全部わかっている人がデザインしたシンセだなと思います。
 



お気に入りの機材:KORG「Gadget for Mac」

 

KORG「Gadget for Mac」 (商品詳細)

 

数々のアワードを受賞した音楽制作アプリKORG GadgetのMac版が、近日リリースされます(註:2017年3月24日にリリースされました) 。iOS版で好評だった機能のすべてをブラッシュアップ。最大のガジェット楽器コレクションを備え、さらにプラグインとしてもあらゆるDAWで使用できます。これまでiOS版を愛用してこられたTom-H@ckさんに、一足先に試していただきました。

Tom-H@ck :iOS版のなかに入っているシンセ音源が、すごく音がいいんですよ。iPad仕様のいわゆるガジェット系DAWで、こんなに音がいいアプリって他にある? って思うほど衝撃でした。

音色も、たとえばEDMに特化したシンセなんていうのもあって、しかもどれも本格的。直感的に操作できて、気軽にトラックメイキングできるので、入門用としても楽しめると思います。

Mac版は、スタンドアローンだけではなく、プラグインとして立ち上げることも可能なんですね。内蔵音源をプラグインとして使えるので、音源制作で今後使う人が増えると思いますよ。あとデザインもよくて、この画面を立ち上げた瞬間にテンションが上がる。それって制作のモチベーションとして、とても大事だと思うんですよね。

 



お気に入りの機材:moog「Minimoog Voyager Rack Mount Edition」

 

moog「Minimoog Voyager Rack Mount Edition」 (商品詳細)

 

Minimoog Voyagerのパワーをもち、ラックマウントまたはテーブルトップの使用のためにデザインされたもの。フロントパネルのすべての操作子は、MIDIのコンティニュアスコントロールのメッセージを送受信することが可能です。

Tom-H@ck :MIDIでコントロールできる現代的なアナログシンセはたくさんあるんですよ。本機はその走りであって、なおかつサウンドも超極太。これをシンセベースとして使うだけで、「もう他の音色、いらないんじゃないの?」っていうくらいの存在感を放ってくれる(笑)。

しかも、アナログシンセ特有のバラつきみたいなものがあって、音の切れ方が毎回ちょっとずつ違ったり、エフェクトのかかり方が微妙に違ったりして、そういうアナログシンセならではの不安定さがリアリティーにつながるんですよね。プリセットも膨大なので、探している音が必ず見つかると思いますよ。

 
 

夢は「日本のPixarを作ること」と話してくれたTom-H@ckさん。自己プロデュース能力に長けた彼ならきっと、その大きな夢に向かって着実に前進してくれるに違いありません。自分自身を的確に客観視し、アーティスト活動とビジネス活動、その両方を行き来しながら今後も素晴らしい作品を世に送り出してくれることでしょう。

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