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2014.04.01

KORG ✕ CAPCOM「monotron」インタビュー

さて、青木さんと北川さんのユニット「ROCK-MEN」について伺いますが、まずは「ROCK-MEN」のご紹介をお願いします。

北川:歴代のロックマン・シリーズの素晴らしい楽曲を僕らがアレンジしてまた違う形で広めていこうっていうのがキッカケで始まったユニットですね。

そのROCK-MENのセカンド・アルバム『We are ROCK-MEN! 2』が去年(2012年)12月にリリースされましたが、どんな内容のアルバムでしょうか。

青木:ロックマンの楽曲を僕らがアレンジして、っていうスタイルはファーストから変わっていないんですが、ファーストからの反響を参考にしつつ、僕らもアレンジしたい曲っていうバランスを取りながら制作しました。
北川:それにプラスして、今回はコラボ的に、DDTプロレスリングで活躍しているケニー・オメガ選手の入場テーマとして提供した曲とか、『ロックマンDASH』で音楽を担当された友澤眞さんにセルフアレンジしてもらったりとか、『ロックマン2』の作曲者である立石孝さんになぜか新曲(笑)を書いてもらったりとか、演奏はDIMENSION(*2)にお願いしたりと、ファーストよりもバラエティに富んだ内容になっていますね。

(*2)DIMENSION:小野塚晃(key/prog)、勝田一樹(sax)、増崎孝司(g)をコアメンバーとしたインストゥルメンタル・グループ。1992年アルバム『Le Mans』でデビュー。メンバー個々人はもとより、グループとしてもアーティストへの楽曲提供やサウンド・プロデュースでも活躍中。最新作は2012年発表の『Ballad』。

ロックマンへの思い入れは、相当なものがありますね。

北川:そうですね。僕の場合、チップチューンというか、8ビット音楽が昔から好きだったんです。小学生の頃に最初にやったロックマンが『ロックマン2』だったんですけど、最初聴いた時に衝撃を受けたんですよね。それが8ビット音楽を好きになった最初のキッカケだったかも知れませんね。それ以来、ロックマン・シリーズが次々とリリースされていく中で、どんどん興味が湧いていきましたね。とにかく『ロックマン2』のインパクトが凄かったです。

青木:僕もロックマンとの出会いは『2』なんですよ。幼稚園の頃だったんですけど、近所の友だちと一緒にやって、死んでは代わり、死んでは代わり(笑)交代しながらずーっと遊んでいた記憶があって、幼稚園児にはけっこう難しいゲームだったと思うんですが、そこで遊び過ぎたんで、ロックマンのパスワードをこの歳になっても覚えているんですよ(笑)。なので僕の中でロックマンというのは友だちと一緒に盛り上がったゲームでしたから曲も身体に染み付いていますね。 思い入れになるかどうか分からないんですけど、ROCK-MENのファーストでは僕がアレンジをした曲は、アレンジをする時に原曲を聴き直してないんですよ。自分の中でその曲のイメージが完全に固まっていましたので、アレンジをする時はそのイメージをアウトプットした感じなんです。

凄い!それだけ聴きまくっていたということなんですね。

青木:そうですね。

ところで、monotron以外にもコルグ製品を使われていると伺いましたが、他にはどんな製品を?

青木:pitchblack+を使っているんですが、0.1セント単位でチューニングできて、これでPRSのチューニングをしましたら、コードの響きがすごくキレイになりまして、「チューナーひとつでギターの録音クオリティがこんなにも変わるのか」と驚きましたね。ストロボ表示もあってチューニングしやすいですしね。 

「コードの響きがすごくキレイになった」というのは具体的には…?

青木:ギターって良い意味で色々曖昧な楽器で、それが逆に愛おしさにもつながっていたりするんですが、シビアにチューニングすることによって、各弦のピッチの関係がピタっと合って、その状態でコードを弾くと濁りがなくなるというか、すごくクリアで透き通った響きになるんですよ。レコーディング向きのチューナーと言えるかも知れませんね。

北川さんはいかがでしょうか。KAOSS PAD QUADを使われているそうですが…。

北川:使ってますね。僕は楽器ができませんからKAOSS PADは非常に助かりますね、インターフェイス的にも。エフェクトの中ではLooperとJetが好きですね。あとDelayですね。この3つがあればご飯何杯でもイケますね(笑)。 

ここでお二方にコルグにどのようなイメージをお持ちなのかをお聞かせください。

青木:コルグと言えばやはりシンセなんですけど、古い機材というのは意外と忘れ去られてしまうものも多いと思いますが、コルグの機材はひとつひとつにすごく個性があって、いつになってもその機材でしか出ない音がある、という印象が強いですね。色褪せないシンセを作るブランドだと思いますね。

北川:そうですね、言うなれば、その時代に適合した無難なものを作りませんよね。とんがったものを作りますよね、例えばELECTRIBEもそうですし、monotronもそうですよね。とんがったものって、時代の変化に関係なく使えるんですよね。そういうイメージを持っています。そういう意味で、常に新しいことにチャレンジしている会社だなぁと感じますね。

ありがとうございます。それではお二方の今後のご予定や告知をお聞かせください。



北川:僕が全曲担当しました『エクストルーパーズ』のサントラをぜひお聴きください!実はこれ、ニューヨークのスターリング・サウンド(*3)でマスタリングしたんですよ。

(*3)スターリング・サウンド:ニューヨーク・チェルシー地区にあるマスタリング・スタジオ。「マスタリング」の概念を決定づけたスタジオのひとつとして、音楽業界で最も多忙を極めるスタジオ。

すごい!ゲーム音楽では珍しいんじゃないんですか?

北川:そうですね。ゲーム会社でスターリング・サウンドを起用したのは初めてらしいです。それぐらい、このタイトルに関しては本気で制作しましたので、ぜひ聴いてみてください。それと『レイトン教授VS逆転裁判』もサントラCDが4月10日に発売しますのでこちらもぜひ。それから、カプコンのサウンドチーム公式サイト「CAP’S TONE」で『エクストルーパーズ』やROCK-MENの記事を連載していますので、ぜひご覧下さい!

青木:音楽を担当しています『戦国BASARA』シリーズ、『ロックマンXover』をゲーム共々ぜひよろしくお願いします!『ロックマンXover』の音楽にまつわる記事も「CAP’S TONE」で掲載していますのでぜひご覧下さい!

最後にコルグ・ホームページをご覧のみなさんへメッセージをお願いします。

青木:ちょっと良いこと言いますよ。

北川:お!

青木:良い音楽を作るために欠かせないことのひとつが、自分が使っている楽器への愛情だと思いますので、楽器を愛して良い音楽を作って、その良い音楽をこれからも創り続けるためにカプコンにお越し下さい!お待ちしています。

北川:言われちゃった!でも、新しく楽器を買った時の、ワクワクした心の振れ具合ってすごいですよね。すごく創作意欲が湧くんですよね。その時の気持ちを大切に音楽を作っていって欲しいと思いますし、僕らもそうして音楽を作っていきたいですね。

株式会社カプコン

1983年創業、大阪に本拠を置き、アーケード・ゲームやコンシューマー・ゲームの開発・販売を行う。『ストリートファイター』『ロックマン』『バイオハザード』『モンスターハンター』など、誰もが知る人気シリーズ作品を多数生み出してきた国内有数のゲーム・メーカー。

CAP'STONE カプコンサウンドチーム 公式WEB

CAP'STONEでは、北川氏・青木氏をはじめとするカプコンサウンドチームの方々のポッドキャストやブログ、そして濃密なインタビューをご覧頂けます!特にインタビュー・ページでは、実際のゲーム映像を見たり音を聴くことができるので、今回のインタビューで興味を持った方は是非CAP'STONEも合わせてご覧下さい!