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2023.01.26

生徒一人にピアノ1台ずつの実現にC1 / LP-380Uを導入 〜 KORG Digital Piano for everyone 第8回

2022年4月に創立62周年を迎えた伝統ある鶴川高等学校(*2023年4月よりフェリシア高等学校)は、保育コースではピアノを一人1台使用して授業を行ったり、併設の幼稚園での保育体験も行ったりと、高校生のうちから他ではできないような実践的な経験を積むことが可能です。さらにこちらも併設されている短期大学に進学すると、卒業時には幼稚園教諭二種免許状や保育士資格が取得できるそうで、つまりこの高校で学ぶ生徒たちは、10代のうちから自分のなりたい職業への近道を真っ直ぐに進んでいます。

そんな生徒たちをサポートするカリキュラムを持つ素晴らしい学校に、コルグのデジタルピアノC1とLP-380Uを導入して頂いたとのことで、ご自身がプロのピアニストでもある武田敬子先生にデジタルピアノの感想などを伺ってきました。

取材協力:フェリシア高等学校(旧鶴川高等学校)

学校法人明泉学園 フェリシア高等学校
〒195-0054 東京都町田市三輪町 122
TEL:044-988-1126(代表)

本校の建学の精神の基幹である「愛の教育」は、「徳育」という科目を通してキリスト教の精神、すなわち自分を愛し人を愛する愛の心を大切にし、人の心の痛みが分かる思いやりの精神を体得することを目指します。これは、宗教学や神学を学ぶことではありません。

また、本校の教育活動の特徴は、一人ひとりに目をかけ、手をかけ、心をかける教育であり、きめ細かな学習指導による基礎学力の向上です。今年度(*2022年度)より1時間目は10時始まりとなり、9時始まりの0時間目を「学び直しの時間」としました。ここでは、義務教育の学びまで立ち返ります。そしてコース制を導入し保育コースを新設しましたので、隣接するフェリシア幼稚園での保育体験や、併設校のフェリシアこども短期大学の先取り授業などを充実させ、高校・短大の5年間計画で保育者の育成も目指します。

これからの長い人生を生きていく為の原動力・推進力となるものを体得させ、卒業させる教育方針をこれからも貫いて参ります。(「校長の挨拶」より抜粋)

「勉強机としても使えるピアノを探していた」


──電子ピアノを導入するきっかけは?

授業で一人1台を使う事がとても大事な事と思い、はじめから電子ピアノを導入したいと考えていました。元々、電子ピアノはかろうじて一人1台ありましたが、機種がバラバラであったり鍵盤が少ないといった問題がありました。それぞれのピアノの機能が機種によって全く違うため、不公平感があるのではないかと感じていました。そんな矢先、学園側から本年度保育コースを新設するにあたり新しい楽器に入れ替えようという提案があり、電子ピアノを本格的に探し始めました。

C1 WH(ホワイト)が導入されている教室
 
 

──数多い電子ピアノの中から、コルグC1とLP-380Uに決めた理由は?

まず、勉強机としても使えるピアノを探しておりました。ピアノレッスンの経験もある先生に色々調べて頂き、コルグのC1は、蓋が平らなのでよいのではないかと提案頂きました。そこで、決める前に、C1-Airを先に購入して試しに使ってみました。私は、ピアニストとしても活動しておりますので、これまでにグランドピアノ、アップライトピアノそして様々な電子ピアノにも触れてきております。とにかくよく弾きこんでみました。

──実際使われての感想を教えてください。

私が使ったところでは、長時間弾いても全然疲れない、という印象でした。ちょうど6月に自身の演奏活動の一環として、ソリストとしてのオーケストラとの共演を控えておりましたので、毎日電子ピアノで30分間弾き続けてみました。強弱もピアノの音色も、グランドピアノと変わらないですし、こういう音を出したいという音が出てくる。これはいける、と思いました。夢中になって弾いていると、グランドピアノを弾いている感覚になったりもしました。

C1の台数が揃うかわからないという事で、LP-380というまた違った性能を持つピアノを楽器店さんを通じてご紹介いただき、そのアドバイスをもとに、70台のうち半分はLP-380Uにしました。こちらのピアノは、タブレットなどのデバイスにつなげられるという利点があります。

生徒達は、この2種類の新しい電子ピアノに早速大変興味を持ち、私以上に様々な機能を試してみています。電子ピアノには内蔵曲があるのですが、クラシックの名曲が何曲も入っています。生徒達はよくそれを聞いておりまして、クラシック音楽が身近になったのではと感じております。

LP-380U RW(ローズウッド、木目調仕上げ)が導入されている教室


 

「C1の録音機能を駆使した授業」


10月末に本校の文化祭があり、久しぶりに外部のお客様をお招きできた文化祭になりましたが、その際にも、電子ピアノが大活躍しました。合唱部の舞台で、歌も伴奏も難曲と言われる「虹」という曲だけ、伴奏を録音しておき、実際の舞台で、ピアニストなしでC1に演奏してもらいました。音質もよかったのはもちろんですが、外のライブ会場であっても、ピアノに内蔵されているスピーカーのみで充分に音が響いた事が驚きでした。

授業では、この文化祭での使用をきっかけに、録音機能を駆使した授業を展開しております。まず、何台かには、合唱曲の伴奏を仕込んでありまして、授業でピアノを弾かないで、歩き回りながら生徒と一緒に歌を歌っております。生徒達の素敵な声がそばで聞こえますし、生徒達が苦手なアルトパートを私が教室の真ん中で手伝えるので、この機能は大変便利に利用させてもらっております。それから、本校には併設校のフェリシア短期大学と提携している高大連携の授業があるのですが、こちらの授業では、生徒によって習熟度が違うため全員微妙に違う曲を練習していることもあります。どんな童謡か知らない、と言われた場合にはすぐに録音してあげて、何回も聞いてもらえるようにしています。苦手な左手を手本に録音してあげる事もしばしばです。

──生徒さん1人にピアノ1台ずつの授業はとてもユニークだと思いますが、具体的にはどのような進め方なのでしょうか。

同じ教室に30人程度の生徒がおりますが、まず最初は全員に向かって口頭で課題の取り組み方について説明し、その後それぞれの生徒を回って個別に説明していきます。一人につき一分から二分の説明(レッスン)にはなりますが、生徒さんは待っている間、そして説明を受けた後、自主的に練習を進めております。

授業中は一斉にピアノを弾きますので、音の気になる生徒は、付属品のヘッドフォンや自前のイヤフォンを使いピアノを弾いております。

──コロナ禍において、授業はどのように進められていますか?

両隣と前後の距離は充分にとることで、密にはならないような工夫をしています。だからといって孤立するほどの距離でもなく、程よい距離を保ちながら授業を進めております。窓も開けておりますので、強風で楽譜が飛ばされないように洗濯バサミを十分に用意して、楽譜を楽譜立てにしっかり固定しております。鍵盤の消毒も頻繁に行っております。


──卒業生はどのような職業に就かれていますか?

高校卒業後の進路としては進学する生徒が多いです。併設のフェリシアこども短期大学を始め、四年制大学、短期大学、専門学校などで8割以上を占めています。進学せずに就職する生徒は少ないですが、その就職先は販売、介護、事務職などさまざまな分野に渡っています。


──ありがとうございました。

武田敬子

神奈川県横浜市出身。桐朋女子高等学校音楽科を経て桐朋学園大学音楽学部卒業。在学中より、全国各地の公民館主催、労音主催でリサイタルを行う。小学校・中学校・高等学校の芸術鑑賞会にて多数コンサートを行う。教会コンサート、寺社でのコンサートにも多数参加。関西フィルハーモニー管弦楽団や、他オーケストラと協奏曲を共演している。現在、ソロと室内楽、器楽声楽の伴奏など演奏活動を行いながら、フェリシア高等学校常勤講師、フェリシアこども短期大学非常勤講師をつとめる。CDは、Memories、シネマファンタジー他、数枚ピアニストとして録音に参加している。

コルグ・デジタル・ピアノを導入したい教育関係者さまを募集しています。
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