2023.01.12
曽根麻央「SV-2、RK-100S 2」ライブステージ・インタビュー
ファンキーな人気サックスプレイヤー、ユッコ・ミラーさんの「Summer Tour 2022」でキーボードを務めた曽根麻央氏。SV-2とRK-100S 2を駆使してバンドサウンドを彩っていました。
そのツアー最終日(2022年9月5日)に渋谷JZ Bratを訪ねインタビューを行いました。
また後日、曽根さんがコルグに来社された際に、NAUTILUSを使った即興演奏動画を収録させて頂き、このインタビューの最後に掲載しました。そちらもぜひ併せてご覧ください。
曽根麻央(そね まお)
曽根麻央は『ジャズ二刀流』として、トランペットとピアノの同時演奏で知られているトランペッター、ピアニスト、作曲家。
両親が音楽家、父方の祖母は三味線奏者、母方の祖母はジャズ喫茶の元オーナーという家庭で育つ。幼少期よりクラシック・ピアノを始めるが、徐々に即興演奏や音楽理論に傾倒し、8歳でルイ・アームストロングに憧れトランペットを始める。9歳で千葉県流山市周辺での音楽活動をスタートさせる。すぐに頭角を現し小学生の時に日野皓正やレイ・ブライアントらの世界的ジャズ・ミュージシャンとの共演の機会を経てプロを目指す。
2022年には4年ぶりのリーダー作として結成8年目となるオリジナルバンド”Brightness of the Lives” (井上銘gt、山本連b、木村紘ds) による『Brightness of the Lives』(Reborn Wood)を発表。ジャズ専門誌『ジャズ・ジャパン』の表紙を飾るとともに、ジャズの聖地ブルーノート東京やビルボード大阪でリリースライブを開催し成功を収める。2022年7月からは6ヶ月連続でオリジナルアレンジのスタンダードナンバーをソロで録音した"Plays Standards"シリーズが配信開始となる。
ホーンやストリングスのアレンジ等を得意とし、これまで多数のアーティストサポートやポップスやクラシック等の幅広いジャンルのレコーディングに参加。その傍ら自ら作編曲した曲をYouTubeで発信するなど、国内外から多くのファンを獲得している。自身のバックグラウンドであるジャズを主軸に、独自のスタイルを築く表現者として注目を集めるアーティストである。
SV-2について。
──SV2との出会いからお願いしてもいいですか。
曽根:とあるジャズクラブで演奏していた時にSV2が置いてあって試しに弾いてみたんですよ。そしたらエレクトリックピアノの音がリアルだったんです。毎回重い実物を持ち歩くわけにいかないので、これだったら持ち歩いても音色的に全く遜色ないなと思ってすぐ購入したんです。
──今日もすごく良い音を出していましたね。
曽根:ギターアンプを通してわざと音を汚して使いました。
──エレピだけではなく様々な音色を使っておられました...。
曽根:シンセブラスっぽいのとか、内蔵の音源です。あとはエレピに内蔵エフェクターのワウとディストーションをかけて結構激しい曲で使いました。
──あの音、結構目立っていてお客さんも身を乗り出して見ていましたよね。
曽根:そうですよね、結構インパクトある音かなと。
──クラビネットのような音も使っておられましたね。
曽根:実はあれもエレピの音なんですよ。SV-2のエフェクトで歪ませてさらにギターアンプを通すと、良い感じの濁りが混じってクラビっぽい音も出せるんです。
──なるほど、そうなんですね! SV-2全般について気に入っているところはどういうところですか?
曽根:なんか弾きやすいんですよ。ピアニストになじみやすいタッチ感かな、と。あとデザインが可愛くて大好きなんですよ。ヴィンテージっぽいデザインでジャズとかファンク系のクラブに馴染む気がするんです。アコースティック楽器とも相性の良いデザインだし白いのもいいですよね。赤の派手なモデルが以前あったと思うんですけど僕は白が好きなので。
RK-100S 2について。
──RKに興味をもったきっかけは?
曽根:僕はキーボーディストでもあるんですけどもともとトランぺッターっていうのもあって、鍵盤でも前に出て弾けたらとかフロント楽器としての一面を出したいと思っていたんです。いろいろ探していたらコルグさんからコンパクトで持ち歩きできそうなRK-100S 2を発見してぜひ手に入れたいなと思っていました。
──今日もめちゃめちゃ弾きこなしておられましたよね。
曽根:はい、活躍してました。多分みなさんが思うより何倍も多く弾いていたと思います(笑)。
──たしかにずっと弾かれていましたね。
曽根:ファンキーなこのバンドにはすごく合うんで。前はツアーの時はmicroKORGを使っていたんですけど、それを全部RK-100S 2に置き換えたって感じですね。
──やっぱり客席からも鍵盤が見えると楽しいですよね。
曽根:楽しいですよねやっぱり。キーボードに隠れてプレイヤーが見えないより、ステージ・パフォーマンスとしてプレイヤーも鍵盤もお客さんに見える方が楽しさが違うかな。
──RKの使いこなし術はいかがでしたか。
曽根:鍵盤のサイズがミニ鍵なのでその感覚をつかむところから始めました。いままではあまりお腹のあたりで鍵盤を弾いたことがなかったのでそれの練習をしたり。1〜2日弾いていたら慣れてしまいました。
あと、リボンコントローラーにはビブラートデプスもピッチベンドもアサインできるんですけど、僕は基本的にピッチベンドにしておきたいので、その状態で指を揺らしてビブラートかけられる練習をしました。このバンドのベーシストの中村君(※中村裕希氏)にどうやってビブラートを習得したのか聞いてそれを参考に練習しました。
──なるほど。リボンのアサインや音色のエディットはしたのですか?
曽根:ちょっと変えています。ビブラートや音のリリースや、エフェクトもいじったかな。
──音に力があった気がしました。
曽根:RK-100S 2もギターアンプを通しています。やっぱりリードギター的な要素があると思うので、僕は結構鍵盤系はアンプ通すのが好きですね。
──パフォーマンスとしてもギタリストのように表に出ることを意識して、そういう所をRKに求めていたりするのでしょうか?
曽根:はい。フロントに出ることが自分のアイデンティティの一つなので、RK はまさにそういう楽器かなと思います。
──本日はありがとうございました。
ユッコ・ミラー Summer Tour 2022
2022.09.05 @ JZ Brat
ユッコ・ミラー(as)、曽根麻央(p,key)、中村裕希(b)、山内陽一朗(ds)
曽根さんは現在、『ユッコ・ミラー5thアルバム「City Cruisin'」リリースライブ』で2月15日まで全国を回っています。素晴らしいメンバーによる素晴らしい演奏をぜひご覧ください。
ツアースケジュールはこちら(YUCCO MILLER OFFICIAL WEBSITE)。
https://www.yuccosax.com/live