2022.07.14
小林うてな「opsix」ライブステージ・インタビュー
卓越した才能から生み出される個性的な音が、ソロとしての作品の中だけに留まらず、自らの音楽をとことん追求するアーティストたちにとっても欠かせない存在として愛されているマルチなミュージシャン、小林うてなさん。
cinra.netでのインタビューがきっかけで出会ったopsixを、ermhoiさんのサポート・キーボードとして参加したライブで使用して頂いているとのことで、取材に伺いました。
LIVE:ermhoi with The attention please
(ermhoi, Utena Kobayashi, Shun Ishiwaka, Taikimen, Marty Holoubeck)
2022年5月26日(木)表参道 WALL&WALL
http://wallwall.tokyo/schedule/20220526_ermhoi/
──本日のライブの内容はどのようなものですか?
小林 :ermhoiさんのソロの楽曲を、バンドセットでやろうというプロジェクトです。彼女が2021年にリリースしたアルバム「Dream Land」の楽曲をメインにセットリストが組まれています。ライブの時には元のエレクトロサウンドをバンドで各パートに分散させます。そのために私がopsix とSPD-SX(サンプリングパッド)、スティールパンを担当し、パーカッションのTaikimen もopsix をセットアップしているんです。
──うてなさんの役割を詳しく教えてください。
小林 :ホイちゃんが曲の構造を解体していくんですけど、その中で私のパートが決まっていきます。
例えばパッド的なシンセサウンドだったり、彼女の打楽器的な役割に対してわたしはリフ的なものを担当したりしています。リフ用にはマレットの音とかダルシマーの音があったのが嬉しかったです。すごく特徴的な音はサンプリングパッドに入れて叩いて音を出したり、スティールパンでリフを演奏したり、という役割です。
──シンセ音色についてermhoiさんからリクエストはあるのですか?
小林 :まずは原曲からイメージして音をつくってみて、ホイちゃんの意見をききながら最終的に調整していきます。
──opsix はうてなさんのイメージに合うようなサウンドが出ましたか?
小林 :ありました!結構あって楽しかったです。低音も結構出ますね。
──音のチョイスはどういう方法で行ったのですか?
小林 :とにかくプリロードを弾いてイメージに近い音を探します。そこからパラメータをエディットしたり、ランダマイズ機能で音を変えてみたりもします。そしてオペレータレベルのブレンド感を調節して好きな音を作りました。
──アナログシンセなどと比べてopsix らしいところは発見できましたか?
小林 :いじっていてとにかく楽しいんです。縦積みのオペレータで音色が変化できて、横に並列にあるオペレータで音の要素をブレンドするという構造が好きだし親しみやすく感じます。
他のデジタルシンセだと構造が見えないところで複雑に絡み合っているイメージなんですが、opsix はその構造が目に見えるんです。
──最後に、うてなさんにとってopsix はどんなシンセですか?
小林 :いま熱いシンセです!軽いし、操作がしやすくて、なにより楽しいんです。私にとっては嬉しいシンセです!
──ありがとうございました。
小林うてな(こばやし うてな)
長野県原村出身。
劇伴・広告音楽の制作、スティールパン奏者としてライブサポートやレコーディングに参加。
2018年音楽コミュニティレーベル「BINDIVIDUAL」の立ち上げと同時にBlack Boboiを結成。
2021年ソロアルバム「6 roads」を絵本とともにリリース。
2022年「鬼の右腕」を再結成。