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2022.03.08

Teru(Crossfaith)「modwave」インタビュー

日本国内に留まらず世界で活躍する5人組ロックバンド「Crossfaith」。そのメンバーであるTeru(Prog, Vision)さんにmodwaveを使って頂いているとのことで、早速その印象などをお伺いしました。

Teru(Crossfaith)

Crossfaith(クロスフェイス)

大阪出身5人組ロックバンド。ロックとエレクトロの2つの世界を融合させた音を武器にワールドワイドな活動を行う。

世界各国のフェスへ出演しメインステージでのアクトを務め、ヘッドライナーツアーを行うなどといった日本人アーティストとして類稀なる偉業を果たしロック史に新たな歴史を刻み続けている。

2020年にはレーベル「Species Inc.」を発足し、レーベル発足後第1弾として自身の新作「SPECIES EP」をリリースした。

──modwaveを使おうと思った理由を教えてください。

曲を作っている時に音から新しいインスピレーションを得たい気持ちが強くて、YouTubeで探していたらmodwaveを見つけました。プリセットの演奏動画をたくさんアップしている人とかいるじゃないですか、その出音がめっちゃ強力だなって、最初音を聞いてびっくりして。


──実際弾いてみていかがでしたか?

普段アナログとソフトを用途によって使い分けてて、ダンスミュージックだったりとかハイファイな音や過激な音はソフトシンセ、温かみとかぬくもりがほしい音の時にアナログの音を使うことが多いんですけど、modwaveはハイブリットだなっていう印象でした。ハードをいじったことない人も触りやすいと思います。

音色で言うと「Belgium Jump」

これとか、トランシーで歪みがえぐいですよね!攻めた1台だなと。

──そうですよね(笑)

他にも音色名「Biegerish」

これはキックも固くて、ドラムマシンみたいなクオリティー、ちゃんとリズムパターンもかっこいい。エディターを使ってキックの部分だけサンプリングしたりとかもいいですね。

これからやってみたいのがウェーブテーブルをインポートする機能を使うことです。普段使っているSERUMでエクスポートしたウェーブテーブルをmodwave上で使ってみたいですね。無限の広がりがありそうで面白いですね。


──v1.1で外部波形の読み込みに対応したので、そこに気づいていただいて嬉しいです。Kaoss Physicsはいかがですか?

ソフトで音作りして打ち込みベースでやっているとどうしても平べったくなっちゃうことが多くて、かといってオートメーションを書いてコントロールすると割と手間というか、そういう部分が、Kaoss Physicsがあると生き生きとした音になる。ソフトでの発想力を越えてくれるというか、こんな音出るんだ!このモジュレーションでそんなに変わるのはえぐいなと(笑)。

あとMODノブも便利。


──とりあえずそこ触っておけば良い感じになりますもんね(笑)。

そうなんですよ。エディット画面を潜って行かなくてもいいから好きですね。画面が小さい分、つまみがいっぱいあって触れるのは嬉しいですね。ハードならではの美味しい部分、フィルターのかかり具合で一番良かった部分をレコーディングして、その部分をループして使ったりとか。ダブステップ系のベースも入ってますよね。

──どれだけ音に動きを持たせられるか、という可能性を試した1台だと思います。

奥行きがあって空間的な広がりもすごくあって、高級感ていうのかな、音楽的な聞こえ方をしてくれるシンセなんで、そこが僕は好きです。ソフトシンセでは作りづらいところではありますね。

Crossfaithはディストーションギターがばんばん鳴ってる激しい音にシンセを乗せることが多いんで、ギターの代わりになるような印象的な音を求めることが多くて。

曲作りの際に僕らの間で「ダブルパンチ」って合言葉があって、バンドサウンドの良さとデジタルなエレクトロサウンドの良さ、どっちもかっこよくするのが俺たちだろうと。うちのボーカルもシャウトするので、それに負けない音を探してて、modwaveは十分過激だなという印象を持ってます。制作で実際使わせてもらいました。


──気に入っている音色をメモしてきて頂きました。

──どういう傾向の音を選んでいるのでしょう?

言葉だと難しいですね。ハイパーな音?ぶっとんだ音(笑)。

バンドサウンドに負けないために音色を重ねたりもします。シンセのアタックを遅くしてリバーブっぽくすることで奥行きが出て、音に表情が出て好きですね。

あと、Kaoss Physicsなんかも表情を付けやすいです。あくまでも人が演奏しているわけで、自分の血を通わせたいというか、魂を宿らせるというか、そこがどれだけ追及できるかがこだわってる部分なので。しかも自分の想像を越えてくれる、そこが楽しいですね、KORGの遊び心なのかな、このボール投げて(Kaoss Physicsをいじる)、楽しい(笑)これが大事だなと。

キーボードソロの時とかに効果を発揮するのでライブ向けな機能だなと思いました。

──ぜひライブで使ってみてほしいです。ここで話題を変えて、Teruさんの音楽のルーツを教えてください。

ボーカルのKoieとは小学校から一緒で、彼は洋楽が好きでCDを500枚くらい持ってて。中学の時に僕が好きだった女の子が洋楽が好きだったんですが、その時僕は洋楽を一切知らなかったので、KoieにCD貸してよって言って借りたのが、Linkin ParkとかAerosmithだったり。一週間ごとに「今週はこれな」っていってセレクトして10枚くらい貸してくれるんですよ。「あぁーまだTeruにはSlipknotは早かったか」とか言って(笑)。

中3の時にみんなで大阪のSUMMER SONICに行って、それでバンドしたいなーってなったんですよ。彼らとバンドを組んで、Linkin Parkとかのコピーバンドだったんですけど僕は最初ギター担当だったんです。最初2人いたギターの内の1人が今のギターのKazukiなんですけど、俺の方が先にギター始めたのに、一週間くらいで抜かれちゃったんですよ。

え?!めっちゃうまなってるやんって思って、俺ギター向いてないんかなって思って。その時Linkin ParkにDJがいて、Linkin Parkってすごいロジカルに作られた音楽だなと思ってたんです。オーケストレーションが入っていたりだとか、美的な感覚を感じたんですよ。ロックだし、シャウトもしてるけど、なんか計算された美しさというか、そういう部分に惹かれて。

それとバンド続けたかったていう思いもあって、2回目のライブの時はもうギターやめてDJやったんですよ。「俺やっぱギター合ってないわ、DJする」って言って(笑)。それでバイトしてターンテーブルとサンプラーを買って、その時はスクラッチメインでやってたのでシンセは持ってなかったです。 当時から目立ちたがり屋だったんで、いてもいなくても分からないようなやつにはなりたくなかったんですよね。

当時メタルをやってたんですけど参考にするアーティストとか特にいなかったんですよね。メタルにキーボディストがいるバンドもあったんですけど、俺そんなにピアノ弾けるわけじゃないし。

でも自分に合ったスタイルってのはなんなのかって模索していて、いろんなトランスだったりEDMやダブステップ、何かそのバンドにエッセンスとして加えられるものは無いのかと。

冨田勲、The Chemical Brothers、Daft Punkから始まって、シンセサイザーに出会い、そこからですかね。

シンセサイザーって無限の可能性があると思ってて、音を一からつくれるぜっていう。自分のパートをビジョンって言ってるんですけど、自分の音でサウンドスケープをこう、連想させたり浮かぶような景色を作りたいなって思ってます。


──ありがとうございました。最後にこの記事を読んでいただいた方々に一言お願いします。

そうですね。ソフトシンセしか触ったことのない方に、ぜひハードシンセの楽しさと、想像を越えてくる部分を体感してほしいと思います。

デジタルリリース「Gimme Danger feat. ralph」

各種ストリーミングリンク: https://linkco.re/Rg9E8T4H?lang=ja