T-SK x RYUJI IMAICHI - Sweet Therapy

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2020.02.04

T-SK x RYUJI IMAICHI - Sweet Therapy

ジャンルを超えた融合的な音楽制作を行うマルチクリエーターT-SK（ティーエスケー）。

安室奈美恵、E-girls、倖田來未、三浦大知、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEなど、日本のヒットチャートを代表するアーティストを手掛け、さらには東方神起、Block B、K.Willなど、韓国の名だたるアーティストへの楽曲提供も行っている、実力と実績を備えたトラックメーカー/プロデューサー。今回は、音楽との出会い、そしてハードシンセへの思い、さらにはリリースしたての楽曲について語っていただきました。

• 音楽を始めたきっかけを教えてください。

T-SK ：僕はあまり覚えていないのですが、４歳の頃、姉がピアノを習っていて、それに影響されて「僕もピアノを習いたい」と言い出して、始めるようになったようです。ただ、弾いてはいたものの、クラシックの音楽はあまり好きじゃなかったですね。なので、小学４年生くらいになって、レッスン自体は辞めてしまいました。

• その後、また音楽をやるようになったきっかけは何だったのでしょうか。

T-SK ：小室哲哉さんがやっていらした某オーディション番組を見ていて、音楽を作るのって面白そうだな、という感じになって。家にはピアノしかなかったので、ピアノで作った曲をカセットなどに録音していました。鼻歌でメロディを作って、それにピアノを合わせて、という感じで作っていました。

• そのとき作曲したのはどのようなタイプの音楽だったのでしょうか。

T-SK ：僕は曲作りが担当で、友達にボーカルをやらせて、いわゆる「ユニット」みたいな感じでしたね（笑）。それからだんだんメンバーが増えていって、最終的にはバンドのような形態になりました。その編成でロック、ポップスというような音楽になっていきました。ただ、みんなはオリジナル、というよりコピーバンドをやりたがっていたので、徐々に個人的な活動になっていきました。そうこうしているうちに、「また、ピアノをきちんとやりたい」と思ったんです。

• それでどうしたのでしょうか。

T-SK ：「またピアノやりたいけど、クラシックじゃなくて、作曲なども学びたい」と母親に言ったら、あちこち探してくれて、たまたま同級生が住んでいたマンションに、渋谷慶一郎さんという、後の日本の電子音楽の第一人者となる方が住んでいらして、「そういうことなら私が面倒見ましょう」みたいな感じで教えてくださることになったんです。

• それはどのようなレッスンだったのでしょうか。

T-SK ：いわゆる「レッスン」という形ではなく、「いっしょに音楽を作ってみよう」という感じだったんです。曲の作り方もそれまで独学でやっていたのですが、曲全体を見渡した構成の作り方、とかいわゆる曲作りの基本をしっかりと教えてもらいました。ただ一方的に習うのと違って、いっしょに作っていましたから、すごく自分の中で「曲作りの基盤」ができあがりましたね。

• 普段、曲作りをするときはどのようにして作っていくのでしょうか。

T-SK ：曲を作る、ということになったらまずDAWを開きますね。そこで、作ろうとしているのがバラード系ならピアノ音色を立ち上げて、鍵盤を弾いてというのが多いです。いずれにしても、弾いているうちにできたもの、あるいはすでに頭の中に鳴っているフレーズを形にしながら作っていきます。

• 作曲、アレンジの中でのハードシンセの重要度はどうでしょうか。

T-SK ：僕が中学生の頃、親にねだって買ってもらった初めてのシンセがコルグのTRINITYで、その音の感じや、操作系統にも慣れているので、今でもコルグのシンセ、たとえばKRONOS2やmicroKORG、SV-1などはたくさん使っていて、曲作り、ダビングなどで活躍していますから、そうとう重要度としては高いですね。やはり、弾いたときのタッチ感もすごく重要で、それがフレーズにつながったりしてます。それからデザインも大切ですよね、特にSV-１の宇宙船的なフォルム、やる気にさせてくれます（笑）。

KORG「KRONOS」（商品詳細はこちら）

• メジャーアティストへの提供が多いT-SKさんですが、依頼されるときはどのような注文が来るのでしょうか。

T-SK ：完全にお任せというときもありますし、アーティストとセッションしながら作っていく、というときもありますので、一概には言えないですが、ある程度やり取りをしたあとは、完成までは任せてもらってますね。

• 今後のリリース作品について教えてください。

T-SK ：１月１５日発売の三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの今市隆二くんのソロアロバム「ZONE OF GOLD」に入っている「Sweet Therapy」を作りました。隆二くんはR&Bが好きなので、「いっしょにやるのなら濃厚なのを作りたいよね」という話で始まった曲です。

• 実際の制作過程を教えてください。

T-SK ：これは隆二くんとのセッションする形で、KRONOS2で音を鳴らしながら作っていきました。メロディ、曲の雰囲気、歌詞、バックトラックの感じを話し合ってイメージを固めておいて、アレンジは作りながらではなく、あとから作りました。 曲のテーマに対してコードは少し暗めにしているので暗くなり過ぎないように基本的に単音などでコードを表現するみたいな手法で作りました。いわゆる「降りてきた」アイデアでしたね。

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• トークボックスもT-SKさんがやっているとお聞きしました。

T-SK ：いつもなら専門の人に頼むんですが、今回はちょっとチャレンジしてみたくなって、自分でやってみました。これはmicroKORGの音をトークボックスに送って、トークボックスから出る音を、口の中に入れてマイクで収録する、という変わったエフェクトです。直接声を出して弾くボコーダーとはまたちょっと違った感じに仕上がっています。

今後、どのように活動していきたいですか。

T-SK ：今は日本でのリリースがメインですが、海外のアーティストへの曲提供もしていきたいですし、自分名義のものもどんどん出していきたいですし、やはりグローバルに、世界で活動していきたいです。