2014.04.01
伊藤大助(クラムボン)「WAVEDRUM」インタビュー
伊藤大助 with KORG WAVEDRUM, WAVEDRUM Mini & monotribe - Movie -
伊藤大助(クラムボン)
1975年12月1日生まれ。北海道・札幌市出身。1995年より原田郁子・ミトと共に“クラムボン”として活動を開始。1999年『はなれ ばなれ』でメジャー・デビュー以降、精力的な活動を続け、今までにオリジナル・アルバム8枚をリリースしている。ジャズ的な技巧派アプローチからハードヒットまで様々な音を操れる稀有な存在。
クラムボンと並行して、自身のバンドとして「LOTUS GUITAR」~ASH(Vo&Gu)と二人からなるツーピース・バンド~や、「The Sun calls Stars」~オータコージ(Dr)とツインドラムからなるインプロヴィゼーション・ドラム・ユニット~でも活動中。その他、ゲスト・ドラムとして、おおはた雄一/Nathalie Wise/Dew/東川亜希子/豊崎愛生などの作品への参加や、ドラム・チューナーとしても活動している。
また2010年4月から2012年3月まで、NHK教育「ハートをつなごう」のナレーションを担当。今年は高野寛との二人バンドを結成し、現在18本のツアーを行っている。
音楽を生む。ドラマーからのアプローチ。
今日の撮影のご感想をお聞かせください。
以前ここ(キチム)でやったイベントで、ドラム2台でセッションするバンド(※1)で演奏したんですけど、その時にも今回の演奏に通ずるスタイルでやりまして。ドラムセットにWAVEDRUMとWAVEDRUM Miniをセットして、音階の出る音色に設定しておいたWAVEDRUM Miniのセンサー・クリップをハイハット等に取り付けて叩いて、擬似的に一人二役演奏をする、という。それを観た方達にも興味を持って頂きましたね。そうやって僕が普段プレイする中で、「WAVEDRUMを使ってこんなことしたら面白いんじゃないかな」と考えていたアイディアのほとんどを今回吐き出せたのがすごく良かったです。
※1:The Sun calls Stars。曽我部恵一BANDやL.E.D.などで活躍するドラマー、オータコージ氏と伊藤大助氏によるツインドラム・インストインプロヴィゼーション・バンド。
http://tscs.exblog.jp/
普段からWAVEDRUMなどをお使い頂いているんですね。
そうですね。WAVEDRUMは実際のドラムヘッドが張ってあるし、パーカッションの音色もすごく音が良いです。色んなパーカッション類を担いで現場に持っていくかわりに、WAVEDRUMが一台あれば大丈夫、という使い方を最初していて、重宝していました。そこからさらに今度はWAVEDRUM Miniが出てきて、「これは面白いな」と思いまして。演奏自体は普段の自分の演奏そのままなんですが、センサー・クリップを使うだけで、プラスアルファ以上にしてくれる、という。
そういう意味で、今回のパフォーマンスは非常に自然なプレイでしたね。WAVEDRUMなどのサウンドが全体の音響に自然にフィットしている感じがしました。
僕自身、例え電子楽器であっても、叩いて音を鳴らす楽器に関しては、飛び道具とかの区別をすることなく、楽器の一つとして捉えてしまう、というか、捉えることができるようになったからでしょうね。打楽器は叩き方や叩く場所によって音が何通りも出せるわけですけど、そういう意味でWAVEDRUMはフィーリングが近いです。生の楽器のような感じで、タッチそのままの音を鳴らしてくれるので。飛び道具としての使い方ではなく、あくまでも一つの楽器として使う…そういう考え方を持てたのは、この楽器のおかげだと思いますね。
今回の演奏では、肘を使ったWAVEDRUMのプレイも印象的でしたね。あれはいつごろ思いついたのですか?
(笑)。肘を使ったプレイを組み込んでみようと思いついたのはつい最近なんですよ。以前から、「色んな楽器をいっぺんに演奏できないかなぁ」と思ってたんですけど、あの形に落ち着きました。
WAVEDRUMは持続音が出せる打楽器ですからね。日の撮影のご感想をお聞かせください。
そうですね。そこはまだまだ活かせるところがあると思いますね。生の打楽器だとああいうかたちで持続音は出せないですしね、僕自身、生楽器の鳴らし方というものにこだわり過ぎていると、演奏のアイディアが生楽器でできる範囲を出ない時もある気がするので、アイディアをもらえるっていう意味でもWAVEDRUMにはホントに助けられてますね。