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ARP 2600 FS
SEMI-MODULAR SYNTHESIZER
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- 2020.02.04
- ARP 2600 FSご購入者対象:ライセンス・カードに関するお知らせ。
フルサイズ完全復刻、限定生産。
ARP 2600が当時のままのサウンド、当時のままの外観、当時のままのサイズで、一回限りの完全限定生産で復活します。シンセサイザー黎明期に登場して以来、最も重要な名機の1つをコルグが復刻します。
ARP ODYSSEYに続き、米ARP Instrument社の共同創業者であるDavid Friend氏をアドバイザーに迎え、また創始者である故Alan R. Pearlman氏に敬意を込めて、APP 2600オリジナルの回路を忠実に再現。ARPならではの安定したオシレーターをはじめとする充実のモジュール群はもちろん、スプリング・リバーブや内蔵スピーカーに至るまで完全に再現しています。さらに2世代切り替え可能なフィルターやXLRバランス・アウトなどの新機能に加え、ARP 3620デュオフォニック・キーボードにはアフタータッチやアルペジエーター/シーケンサーも追加。また日本で生産されるこのARP 2600 FSには、本体とキーボードをまとめて収納・運搬できるキャスター付き専用ハード・ケースもセットになっています。
ARP 2600 FS | Welcome Back
すべてを備えた、トータル・パッケージ。
ARP 2600は単なるシンセサイザーではありません。完結したサウンド・デザイン・スタジオです。各モジュールが分離したモジュラー・シンセとしての自由度の高さと、制作またはパフォーマンスのための楽器に求められる直感性を同時に備えています。豊富なオシレーターやEG、フィルター、アンプに加え、スプリング・リバーブや1ペアのモニター・スピーカーを搭載。他にもリング・モジュレーター、ラグ&ボルテージ・プロセッサー、エンベロープ・フォロワー、オーディオ・プリアンプ、クロック同期スイッチ、ノイズ・ジェネレーター、サンプル&ホールド・モジュール、シグナル・インバーター、AUXミキサー、マルチプル・ジャックなどを備え、ビンテージ・モジュラー・システムならではの多彩な音作りが可能です。ARP 2600 FSには、これら多彩なモジュールが、オリジナル同様の堅牢なレザー貼り木工ケースに全て収まっています。
ARP 2600 FSでは、これらを回路レベルで忠実に再現。ARP Instruments社の共同創業者であるDavid Friend氏の監修のもと、細かなパーツ選定や、細部に渡る調整を施し、その特長的なシンセシスを実現しました。
David Friend プロフィール
創始者のAlan Robert Pearlman氏と共に、ARP Instruments社を起ち上げた共同創業者。ARP 2600やOdysseyの設計をはじめ、数々の製品開発に携わり、後に社長として経営にも手腕を奮った。起業家としての功績も高く評価されており、2010年には、Ernst & Young社が選出する“Entrepreneur of the Year”(最先端技術部門)を受賞。Carbonite社のChairman & CEOを務めたのち、現在ではWasabi社のChairman & CEOを務める傍ら、マサチューセッツ工科大学スローンマネジメントスクールで講師も兼任。また、ニューイングランド音楽院、バークリー音楽大学等の名誉教授にも就任している。
スピーディで、ディープな、セミモジュラー。
ARP 2600は、フロントパネルのほとんどのスライダーやスイッチがそれぞれ特定のコントロール・ソースとあらかじめプリパッチされています。そのためパッチ・ケーブルを使用しなくてもすぐにARP 2600を演奏することが可能。もちろん、パッチ・ケーブルを使って内部接続をキャンセルし、自由なパッチングによる音作りの可能性も無限に備えています。また接続可能なシグナル・フロー図がフロント・パネルに分かりやすくプリントされています。
精密なパッチベイ。
ごく初期のモジュラー・シンセサイザーではかさばる6.3mmのパッチ・ケーブルが多用されていましたが、ARP 2600では当時としては珍しい3.5mmジャックを採用しています。同じパネル面積でより多くのパッチ・ポイントを装備でき、これが多彩な音作りを可能にしました。ほとんどのパッチ・ポイントは各モジュールのコントロール類の下に配置され、音作りや演奏の際にパネルが見やすく、パッチ・ケーブルが邪魔にならず、高い操作性をキープしたまま、複雑な音作りを可能にします。もちろん、各モジュールは他のモジュラーやユーロラック・モジュラーとの接続も可能です。
改良した3620デュオフォニック・キーボード。
ARP 2600 FSでは、ARP 2600のキーボードとしては後期型となる3620キーボードを復刻。ポルタメント内蔵、2ボイスの演奏ができるデュオフォニックに対応し、トリガー・モードはシングルとマルチの切り替えが可能です。ビブラートはキーボードに内蔵のLFOでコントロールでき、LFO波形も3種類が使用できます。また今回は、これらの機能やデザインを完全再現しつつ、さらに大幅に改良。コルグの誇るフラグシップ・シンセ・キーベッドを採用したフルサイズ49鍵は、新たにアフタータッチに対応しました。ビブラートのコントロールはもちろん、パッチングにより自由に効果をアサイン可能です。さらにオリジナルにあったリピート機能を拡張し、アルペジエーターを新たに追加。パターンを入力して再生できるシーケンサー・モードも搭載しています。キーボードとメイン・ユニットの接続には8ピンDINケーブルを採用しました。
パワフルなプロセッシング機能。
ARP 2600最大の特長といえば、各モジュールをパッチングして自由かつ複雑な音作りができるモジュラー構成です。1つのコントロール信号を分岐して複数のモジュールを同時にコントロールするのに便利な、並列接続タイプのマルチプル・ジャックも装備しています。3系統のボルテージ・プロセッサーはCVの変化をスケーリングできるほか、アッテネーターとしても活用できます。CVの変化を平滑化し、ゆっくりとした変化を作る出せるラグ・ジェネレーターも搭載しています。ノイズ・ジェネレーターはノイズの周波数成分をスライダーで連続可変でき、ホワイトからピンク、ロー・フリケンシーやそれぞれの中間など多彩なノイズを出力できます。エレクトロニック・スイッチは内部クロックまたはサンプル&ホールドのスピードなど、外部クロックに同期が可能。また外部オーディオ信号の加工に便利なプリアンプとエンベロープ・フォロワーも搭載しています。
オシレーター・セクション。
ARPシンセサイザーのVCOはチューニングの安定性の高さが特長です。3系統のオシレーターにはそれぞれイニシャルとファインのチューニング・スライダーを装備。現代の復刻モデルならではの滑らかなスライダー動作が、さらなるサウンドの追い込みを可能にします。
またどのオシレーターも通常の音源として使うだけでなく、LFOとしてモジュレーションにも活用可能(LFOはARP 3620キーボードにも内蔵しています)。各オシレーターとも複数の波形を同時に出力でき、波形はノコギリ波、矩形波、三角波、サイン波、パルス波を内蔵しています。また、オシレーター2と3はパルス波のパルス幅を調節でき、オシレーター2はPWMも可能です。オシレーター同士をオーディオ領域でモジュレーションさせて、アナログのFMサウンドを作り出すこともできます。
フィルター・セクション。
ARP 2600は4ポール(-24dB/Oct)のVCFを搭載しています。オシレーターと同様、フィルターにもファイン・チューニングのスライダーを装備し、フィルターを発振させた際のピッチ調節に活用できます。フィルターの入力ミキサーには各オシレーター、ノイズ・ジェネレーター、リング・モジュレーターからの出力が立ち上がっています。
オリジナルのARP 2600は、生産時期により様々な仕様変更が行われていました。外装の変更もあれば、サウンドにより直結した変更もありました。フィルターは大別して2つの世代に分かれ、今回のARP 2600 FSではその両世代のフィルター回路を搭載。TYPEスイッチで切り替えることができます。
エンベロープ・ジェネレーター。
ARP 2600には2基のEGが搭載されています。1つは4ステージ構成のADSRエンベロープ、もう1つは2ステージのARエンベロープです。キーボードを使用せずともエンベロープを手動でスタートできるマニュアル・スタート・ボタンも装備しています。エンベロープ・モジュールからはゲートとトリガーの両方の信号が出力でき、他のモジュラーやユーロラック・モジュラーとパッチングするのに活用できます。
アンプ・セクション。
VCAセクションでは出力レベルを調節できます。コントロール入力にはリニア(CV変化が比例関係)入力とエクスポネンシャル(CV変化が指数関係)のジャックをそれぞれ装備。イニシャル・ゲイン・スライダーではVCAの常時出力(VCAのCVのオフセット電圧)レベルを調節できます。
スプリング・リバーブから、スピーカーへ。
VCAから出力されたオーディオ信号は、ステレオ・ミキサー・セクションから、ARP 2600のサウンドを特徴づける内蔵のスプリング・リバーブ・タンクを通ります。そこからメイン・アウトプットやヘッドフォン端子、またフロントパネルに取り付けられた内蔵のL/Rスピーカーに送られます。巨大なフルサイズならではのサウンドの圧力を、外部モニターと接続することなく一身に体感できます。
プラグイン、そしてプレイ。
今回のARP 2600 FSは、メイン・オーディオ・アウトとして2系統(L/R)のXLR端子を新たに搭載。レコーディング機器やPAなどとDIボックスやラインマッチング・トランス不要でダイレクト接続が可能です。またMIDIはDINコネクターのIN、OUT、THRUのほか、USBも追加しています。フットスイッチ端子は3620キーボードに3系統装備し、ポルタメントのオン/オフや2ノートのインターバル・ラッチなどをハンズフリーで操作できます。また、本体フロントパネルには外部オーディオ信号の加工に便利なプリアンプ入力ジャックも装備しています。
当時のオリジナル・マニュアルやパッチ・ブックを用意しています。
現在へと続く、歴史のスタート・ポイント。
オリジナルARP 2600の重要性は、いくら誇張しても誇張し足りないものがあります。ARP 2600のデビューは1971年。ARP 2600はパワフルなモジュラー・システムを、モダンでポータブル、しかも極めてプレイアビリティの高いシンセサイザーとして確立し、独自のポジションを築きました。以後約10年にわたり、ARPはアメリカで、あるいは世界で、最大のシンセサイザー・メーカーとしての地位を維持しました。
ARP 2600は多方面から高い支持を集めていました。Alan R. PearlmanとDavid Friendによる整合性の高い設計は、教育/アカデミック関連での用途にも最適でしたし、そしてもちろん、初期のシンセ・マニア層にもシンセサイザーの音作りを学ぶのに最適な機種でした。また、あらゆるジャンルのプロ・ミュージシャンも、ARP 2600の驚異的なサウンドとわかりやすいパネル・レイアウトに惹き寄せられていきました。R2-D2の「声」は、サウンド・アーティストのBen BurttがARP 2600で作った音です。数十年を経た現在でも、ARP 2600はビンテージ・シンセサイザーとして最も注目を集めるシンセサイザーの1つであり、多くのミュージシャン、プロデューサー、サウンド・デザイナーが求めて続けています。
1960〜70年代当時のモジュラー・シンセサイザーは、電源モジュールを搭載したキャビネット・ケースに必要なモジュールをセットし、パッチ・ケーブルで接続して使用するという点では、現代のユーロラック・システムとほぼ同じです。他のシンセ・メーカーはモジュラー・シンセサイザー特有の難解さを削ぎ落としたシンプルなシンセサイザーの開発を推し進めていた一方で、ARP 2600は使いやすさと分かりやすさを重視しつつも多様なモジュールをすべて備えていました。この点において、ARP 2600は1台でサウンド・デザイン・スタジオと呼ぶのにふさわしい、まさに異彩を放つシンセサイザーでした。
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アラン・R・パールマン財団について
アラン・パールマンは、ニューヨークで育った子供の頃から「ARP」というニックネームで呼ばれ、それは後に電子楽器をデザインするために共同で創設した会社にぴったりの名前に思われました。 彼はNASA(アメリカ航空宇宙局)を去った後、そのサウンド・クオリティを世に示す楽器を作成するためにARPを設立。1970年にARP 2500を生み出し、さらに続けてオリジナルのARP OdysseyとARP 2600を作りました。パールマンの重要なスキルの1つは、安定して動作する発振器を生み出したことと、スイッチのマトリックスを使用してコードレスによるパッチ技術を実現したことです。 ARP Instrumentsは電子音楽市場の成長と発展において、優れた先駆者としての伝説を築き上げました。
2019年に設立されたアラン・R・パールマン財団は、父親の功績を称えるために、アラン・パールマンの娘であるディナ・パールマンによって設立されました。 ARP財団の使命は、彼の発明を一般に公開することでパールマンの名を後世に伝え、さらに未来の世代に想像と創作を促すことです。