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2022.12.16

奥野大樹「NAUTILUS」インタビュー

奥野大樹(おくの だいき)

1989年生まれ、神奈川県横浜市出身。国立音楽大学音楽学部作曲科を首席で卒業。学部在籍時、4年間すべての専攻試験において首位を獲得、及び卒業時に有馬賞受賞。学内最高成績者として(財)明治安田クオリティオブライフ文化財団奨学金授与。同大学院作曲専攻修士課程に進学後、交換留学生としてカリフォルニア芸術大学(CalArts)にて約半年間の研鑽を積む。

在学時よりCM音楽を中心とした作編曲活動を行い、大学院卒業後はCM音楽制作会社に作家所属の後、フリーランスに転向。作編曲家としてドラマ・ゲームなどの劇伴音楽を手がける傍ら、キーボーディストとしてはShiggyJr.、BRADIO、集団行動、Teleなどのサポート演奏を担当。

──奥野さんが影響を受けたアーティストはどのような方々ですか?


奥野:James Blake、Tame Impala、Sault、Oneohtrix Point Never、Matthew Herbert、坂本龍一、相対性理論 などですね。

もともとクラシック、現代音楽の作曲を勉強していたこともあり、坂本龍一さんや相対性理論をよく聴いていました。相対性理論の元メンバーでコンポーザーの真部さんとは集団行動のサポートをきっかけに仲良くさせていただいていて、今でもスタジオに遊びに行くたびリアルタイムで影響を受けています!

初めてきちんと観に行ったライブはJames Blake、大学生の時に新木場studio COASTに行きました。当時は彼もまだ22、23歳だったと思うんですけど、圧倒的な音楽性に加え、照明もバチバチにキマっていて、素晴らしいライブパフォーマンスでした。世界には同世代でこんなかっこいいライブをやるアーティストがいるのか...と衝撃を受けましたね。

最近は色んなアーティストとの関わりの中で、趣味趣向も多様化してきました。Tame Impalaのようにサイケ色のあるバンドや、Saultのようなソウル、ファンク、ヒップホップをベースにしたグルーヴ感のある音楽がとても好きです。

──今回、NAUTILUSを選んで頂いたきっかけは?


奥野:長年使用していたメインキーボードを新調しようと思い、88鍵のピアノタッチ鍵盤を探していました。その中で、もともと気になっていたKRONOSの後継機種であるNAUTILUSの存在を知りました。


──BRADIOの現場で使用して頂いているようですが、使い心地はいかがですか?


奥野:タッチや音色のクオリティもさることながら、一つ一つの機能がしっかりとプレイヤー目線で設計されているように感じられました。具体的には、タッチパネルを筆頭とした各セクションの操作性が良く、演奏中の音色切り替えや音量調整を楽にできる点が非常に魅力的です。また、膨大な音色ライブラリやエフェクトを一台に兼ね備えているので、急にセットリストが変更されたり、新しい音色が必要になる場面もしっかりとカバーしてくれます。まさに「これ一台あれば!」と言っていい安心感のある機種です。

BRADIOの音楽のルーツが70〜80年代のソウル・ファンクミュージックということもあり、ローズやウーリッツァーといったビンテージエレピの音色は多用しています。NAUTILUSにはそういった音色がたくさん搭載されているのと、エディット画面を含めて本物の機材を触っている感覚があって楽しいですね。

Gt.大山さんのまろやかな中域、Ba.酒井さんの倍音豊かな音色に対して、ピアノはハイファイにコンプをかけた硬めの音色で棲み分けることが多いです。他には、Vo.真行寺さんがFMエレピの音色がとても好きなのでよく鳴らしますが、メンバーからの評判がとても良いですね。個人的にもNAUTILUSで弾いていて気持ちがいい音色の一つです。

──気に入っている音色がありましたら?


奥野:イタリアン・グランドのピアノ音色がとても気に入っています。ハイファイで抜けの良いサウンドは、ときに音量が飽和しがちなバンド編成の中でもしっかりと存在感を示してくれます。また、私の母校である国立音楽大学がプリペアド・ピアノの音色開発に関わっていることを後から知りました。素晴らしい音色なのでぜひNAUTILUSを手にとった多くのプレイヤーに体感してもらいたいです。


──便利だと思う機能を教えてください。


奥野:セットリスト機能は多くのキーボードに搭載されていますが、NAUTILUSのセットリストモードはかなり小回りが効く印象です。元の音色データを崩すことなくセットリスト側で音量バランスや音色パラメータの調整もできるのでエフェクトのかかり具合、長期にまたがるツアーなどでは会場の規模や鳴りに応じて、公演ごと独自の調整が可能です。

また、ユーザー・インターフェースや設定の階層構造も明快なので、事前に音色を仕込む時も「これをやるにはどうしたらいいんだろう?」といった余計な煩わしさがなく、大幅に時間を短縮できました。

──今後どのように活用していく予定でしょうか?


奥野:カスタマイズできる項目が多く、どんなジャンルを弾くときも自分色にしっかりと染まってくれる一台だと思います。まだ使いこなせていない機能もたくさんあると思うので、これからじっくり付き合っていくのが楽しみです。


──ありがとうございました。

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