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音色も鍛える「KORG cortosia」前編

数あるチューナーの中でも、他とは一線を画した、チューナー なのに基礎練習を楽しくサポートしてくれる iPhone 用アプリ、 それがコルグのcortosiaだ。実際に使用されているフルート奏者の坂上領さんをナビゲーターに迎えてその魅力を語ってもらった。

─ チューナーは普段お使いですか?

坂上 僕は単体のチューナーを持っていますが、普段は iPhoneのチューナー・アプリを使っています。

─ チューニングするときに意識していることは?

坂上 目で合わせないようにしています。これは生徒にもよく言う ことなのですが、目だけだと音程は合っているけど、無理やり音を上げ下げしているため、“音”そのものが生きていないことがあります。だから、最終的には耳で合わせて、確認のために、または合っているという安心を得るためにチューナーを見るようにします。

─ cortosiaの第一印象は?

坂上 フルートのほかに、クラリネットとトランペットにも対応しているんですよね。実際に使いましたが、カラオケの採点のようなゲーム感覚でできるから、中・高校の吹奏楽部の子たちは絶対に楽しめると思いますね。

─ 従来のチューナー機能に加え、ピッチの安定性、音色の安定性、音量の安定性、アタックの明瞭度、音色の豊かさ、の5項目を点数で表示してくれるのがcortosiaの特徴です。

坂上 より3D的な項目ですね。グラフになっているから、 どこが安定していないかひと目でわかる。

初心者は音程が高くなりやすいから、フルートだと音程を合わせるために頭部管と主管のジョイント部をギリギリまで抜いている人を見かけます。また、顔を思いっきり内側に向けて吹いて音程だけを合わせている人もいます。そうすると、音域によっては“つぶれた音色”になることもあります。だから “音色”も気にしながら使えるというのは、チューナーとして今までなかった発想ですよね。特に初心者はこのアプリを使って高得点を目指し、まずは「健康的なフルートの音」を出せるようになるべきです。

ただ、最終的にすべて100点が出たから、どんなジャンル、どんな演奏にも対応できる、ということではなく、その後は例えば「好きなプレイヤーの音色の傾向」をこのアプリを使い探っていく、そんな使い方ができると面白いかもしれませんね。

─ 使っていて感じたことは?

坂上 メトロノームの画面が見やすいし使いやすくて、動きも面白いです。あと、個人的に面白いと思ったのはピッチ、音色、音量など項目ごとに持続音の変化をチェックしてくれるところ。自分の音を目で確認できるし、一直線にまっすぐな音を出すというイメージもわくと思います。それを録音して確認できるのもいいですね。

(2015年4月発行、アルソ出版 wind-i mini vol.6より再掲)

音色も鍛える 「KORG cortosia」後編

数あるチューナーの中でも他とは一線を画した、基礎練習を楽しくサポートしてくれるiPhone用アプリが、コルグのcortosiaだ。前号に引き続き、今回もフルート奏者の坂上領さんをナビゲーターに迎え、さらにcortosiaの魅力に迫った。

─ 坂上さんが考える“いい音”の要素とは?

坂上 クラシック系のフルート奏者と、僕のやっているジャズやポピュラー系とではそれぞれ“いい音”の判断基準が異なるので、一概にこれが“いい音”だと括ってしまうのは難しいですね。だから、僕はcortosiaの“いい音”というのは、いわゆる“フルートらしい音”として捉えています。もしくは“健康的な音”とも言えますね。

いわゆるフルートらしい音と言うのは、誰もが想像できる例えば、ジャン=ピエール・ランパルや、サー・ジェームズ・ゴールウェイのような音。逆に、この5項目(ピッチの安定性、音量の安定性、音色の安定性、音色の豊かさ、アタックの明瞭度)の要素の何かを削ったら不健康っぽい音、いわゆる“ジャズっぽい音”になるかもしれません。

─ cortosiaの活用法を教えてください。

坂上 各項目それぞれの波形グラフ(Time Series Graph)を使ってロングトーンをすると、ブレなどがよくわかります。また、曲をさらうときにも、伸ばす音が最後まで安定しているかなど、自分の音のイメージを視覚的に見ることができます。どの部分を見るかによっても、様々な使い方ができますね。

─ 通常のチューナーとは違い、このcortosiaは吹いた音を自動で録音してくれます。

坂上 音程に悩んでいる人は「ジャストで合った」というのがその場で実感できたとしても、その感触を忘れることもあるから、録音を聴けるのは魅力的ですね。それで耳も同時に鍛えられるし、自分の中で一番いいと思った音を、そのイメージとしていつでも思い出すことができるのは良いと思います。

─ 練習の場でこの“cortosia”がスタンダードになる可能性はありますか?

坂上 あると思います。理想的なことを言えば、本来はチューナーを使わずに、目をつぶって“いい音”が出せたら、それに越したことはないんです。でも、“いい音”にはこの5項目のように様々な要素があって、これまでのチューナーでは音程しか確認できなかったけど、cortosiaがあれば気をつけないといけないポイントが簡単にわかるので、それを習慣づけられたらいいですね。

─ 他に感じたことや要望などはありますか?

坂上 プロの現場では必ずしも“健康的な音”が求められるとは限りません。先ほど言ったように、“不健康的”だったり“ワルっぽい”音のほうがいいとされる場合もありますしね。

でも、初心者や中級者はまず“健康的な音”を目指さないといけないし、基本的なテクニックは身に付ける必要があると思います。その上で最終的に人それぞれ目指す音色は違ってくるので、例えば名プレイヤーの音データを参考にして、誰々はこの項目がこうなっている、とか考えてみても面白いかもしれません。

cortosiaの各機能をいろいろ工夫して使うことができそうですね! コルグさんのアプリはどれもクオリティが高い。実は、すでにコルグさんのアプリをいろいろ使っているんですよ(笑)。

─ ありがとうございました。

(2015年5月発行、アルソ出版 wind-i mini vol.7より再掲)

Profile 坂上領 Ryo Sakagami
東京大学教育学部附属中学校にて、中学1年の時に同校のオーケストラに入団するのをきっかけにフルート を始める。日本大学芸術学部音楽学科フルート科に進学し本格的な音楽活動を開始。卒業後、現在に至るまで、様々なジャンルを「広く深く」追求。自己のユニット『piada』にて「繪本図書館」「天球遊歩道」「雪原夜想曲」 の3枚をリリース。2014年には13年目になるリーダーバンド『チャランガぽよぽよ』初となるアルバムをリリー ス。これまでに共演、録音参加したアーティストに松下奈緒、元ちとせ、NAOTO、高嶋ちさ子、Monday 満ちる、 Sound Horizonなど、多数。その他作品としては、篠山紀信『digi+kishin』、映画『テルマエロマエ2』、NHK連続テレビ小説『つばさ』、ゲーム『レイトン教授』シリーズ、『GRAN TURISMO 5』、『LIGHTNING RETURNS : FINAL FANTASY XIII』など。2015年、自身初の著書「Jazz & Pops Flute Lesson Book」(アルソ出版)を刊行。 使用楽器:SANKYO FLUTE[Hand Made pure silver](オフセット リングキー/頭部管 RS-2)