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2023.11.30

島田昌典氏がプロフェッショナル・アレンジャーPa5Xを弾いてみた

 

日本を代表する音楽プロデューサー島田昌典氏に忙しい合間を縫ってPa5X-76を試奏していただく貴重な機会をいただいた。
早速、我々は横浜市の閑静な住宅街にある島田氏のプライベートスタジオ「Great Studio」へと向かった。スタジオ内には数多くのビンテージ楽器や機材がいつでも音が出るようにセットアップされている。楽器もスタジオの音の一部であり、スタジオは楽曲の一部であるという島田氏のこだわりが濃縮したまさに、夢のGreat Studioだ。Pa5X-76の試奏用にはスタジオ常設のGENELEC 1038Bスタジオ・モニターを使用させていただいた。十分すぎる環境でPa5Xのチェックをして頂くことができた。

 

まず、島田氏に細かな説明を一切せずにPa5Xを試奏していただいた。そして、その後で、Pa5Xの率直な感想をお聞きすることにした。

Pa5X

── 島田さんはaikoさんの今年のライブツアーではキーボーディストとしても参加されていますが、Pa5Xのキーボードとしての感想はいかがでしょうか?

島田:まず鍵盤が新しい感じの質感ですごく良いですね。この鍵盤ってイタリア製なんですよね?弾き心地と言うか鍵盤ストロークの深さや重さが弾いていてとても気持ちいいです。音色もグランドピアノやエレピ、オルガンなんかはそのままライブでも使えるサウンドクオリティーです。
ピアノ音色は、Austrian Grand、German Grand、Italian Grand、Japanese Grandと、世界のあのグランドピアノが入っていて贅沢ですね。エレピもビンテージな年代機種ごとのサウンドが満載していてこれは使えますね。デビット・フォスターのサウンドでアコピとエレピをレイヤーで演奏しているもの(実際は重ねて録音している)があるのですが、Pa5Xでもレイヤーして簡単にそのサウンドが作れました。また、オルガンの演奏ではドローバー操作もスライダーやスイッチとも連携していてとても使いやすい印象です。ロータリーエフェクターの効きもなかなか気持ちいいですね。
正直アレンジャーキーボード系の音色はワークステーション系の音に比べてややチープなイメージでしたが、Pa5Xはライブでも問題なく使えるサウンドなのでびっくりしました。いや〜驚きです。

──  島田さんは数々のアーティストの楽曲のアレンジをされていますが、Pa5Xに搭載されているリズムやスタイルはいかがでしょうか?

島田:スタイルも定番の何とか風スタイルから日本ではあまり馴染みのないマニアックなリズムまでが満載されているので、創作のヒントにつながると思います。
コードシーケンス機能って実はとても便利ですね。いろんなジャンルのコード進行のテンプレートが沢山入っているのはとても面白いです。また、選んだコード進行を再生させながらメロディやバッキングを演奏しても楽しいし、メロディーラインを考えるのにもいいですね。
私のアレンジの仕事で、このスタイルをそのまま使うことはないとは思いますが、歌メインのアーティストにとってはコード進行のアイデアや編曲作業のヒントには十分なると思います。また、思いついたフレーズや作曲途中の記録としてそのままMP3でメモ録音しておけるのも便利だと思います。

Pa5X

──  島田さんは若手のアーティストのプロデュースをされていますが、アーティストにおすすめするとしたらどんなところでしょうか?

島田:背面にマイクやギター入力端子があったので気になったのですが、ボーカルハーモニーエフェクト機能やギター用のマルチエフェクターが内蔵しているんですね。(実際にマイクを繋いで試してみる) おっ!リバーブやダブリングやハーモニーまでつけられて気持ちいいですね。あとピッチ補正もついているし。音程が少し甘い人には助かりますね。(笑)
これって少人数のバンドや弾き語り系のアーティストにはもってこいじゃないかな。機会があれば紹介しますね。
あと、右側にある16個のマトリックスのパッドには、フレーズやSEがあらかじめアサインされていますが、それ以外に、音源やループ・フレーズがアサインできたりいろいろ出来るんですね。内蔵されているスタイルとこのパッドを使って、EDMやダンス系のアーティストや、パッドの付いたサンプラーで音楽を作る若手のミュージシャンには使えそうですね。

Pa5X

──  島田さんのこれからの活動について教えていただけますか? また、何か告知できることなどがあれば教えてください。

島田:今年も来年もアレンジやライブツアーにどんどん参加するつもりでいます。 ちょうど aikoの44枚目のシングル「星の降る日に」が11月22日にリリースされました。とても良い作品になっていますので是非お聞き下さい。

島田昌典

<プロフィール>
音楽プロデューサー/アレンジャー/キーボーディスト。2001年に自身のプライベートスタジオ「Great Studio」を立ち上げ、鍵盤楽器をはじめギター、ベースなど数々のビンテージ楽器、録音機材を収集(特に復刻版メロトロンは島田サウンド必須のアイテム)。ここから数々のヒットソングを創作していった。自身のルーツともいえるビートルズからのブリティッシュサウンド、サイケデリックサウンド、バンドサウンド、アメリカのルーツミュージック、ストリングスアレンジ、などなど、影響を受けた幅広い音楽からのスピリットを、自身のフィルターにかけて融合する、島田昌典ならではの「ひとひねりある」ポップサウンドは、今や多くのポピュラリティーを得て、特にアーティストから篤い支持を得ている。根っからの音楽好きで、根っからの音楽職人。楽器収集家でもあり、楽器演奏家でもある。今日もまた“新しい音”を求めて、こだわりの機材と共に、プロデュース、アレンジに没頭している。

<プロデュース、アレンジ アーティスト>
aiko、いきものがかり、秦基博、back number、JUJU、FUNKY MONKEY BABYS、YUKI、Chara、スガシカオ、真心ブラザーズ、YO-KING、STARDUST REVUE、山下久美子、TOKIO、小泉今日子、中森明菜、小池徹平、中川翔子、奥華子、アンダーグラフ、矢井田瞳、馬場俊英、FLOW、SunSetSwish、メレンゲ、カラーボトル、NIKIIE、HAPPY BIRTHDAY、ひいらぎ、チュール、カサリンチュ、吉田山田、阿部芙蓉美、矢野絢子、近藤晃央、岡野宏典、片平里菜、おおたえみり、沢井美空、ケラケラ、岡本真夜、スキップカウズ、柳田久美子、石嶺聡子、河村隆一、森恵、ねごと、etc (順不同、敬称略)

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