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2015.04.03

矢野 博康「WAVEDRUM」〜大所帯ツアーで活躍するパーカッション

「繊細な生楽器中心のアンサンブルの中にあっても
自然に溶け込みながら、嫌味なく抜けてきます」



WAVEDRUM Global Editionを愛用しています。

2013年の12月からサポートメンバーとして参加しているKIRINJIのライブでは、パーカッションとマニピュレーションを中心に担当していますが、多様なアレンジ、アンサンブルに対応するため、メンバー6名+僕の総勢7名の機材物量が相当多くなってしまってるんです。ツアーでは、ホール会場以外に比較的小さなライブハウスでも演奏するので、舞台上の機材スペースとマイク/ライン回線のやりくりが実はかなり重要な問題になっています。

そこで大活躍しているのがWAVEDRUM Global Editionです。今は主に生のパーカッションのシミュレーションとして使っていますが、サウンドが高品位な上に豊富で、さらにpp〜ffまで表現できるダイナミックレンジの広さゆえ、繊細な生楽器中心のアンサンブルの中にあっても自然に溶け込みながら、嫌味なく抜けてきます。また手で叩いても、スティックで叩いても、擦っても、押し込んでも、思った通りの強さの音が出る。これはデジタル楽器を演奏する上で一番重要なポイントだと思います。

使用頻度の一番高いサウンドはジャンベ(#157)で、KIRINJIのライブでは「バターのように」、「嫉妬」、「僕の心のありったけ」、「台風一過」など、手で叩いて使っています。ミュート気味に叩くペタペタという音から、ドーンと腹に来る重低音、スコーンと歯切れよく鳴るオープンサウンド、リムのほうを叩いたときのカーンというスラップ音などなど、30センチちょっとのパッドインターフェイスだけで強弱を含めてコントロールできるのですから驚きです。お客さんも注意して僕の手元を見なければデジタル楽器が鳴らされているとは思わないかもしれません。他にもスルド(#30)は「夏の光」という曲で、ティンバレス(#164)は「雲呑ガール」、「ONNA DARAKE」という曲でスティックで鳴らしていますが、アルゴリズムの設定によってスティックでの演奏にもしっかり追従してきます。スゴイ!

今後は、生の打楽器のシミュレーションという枠にとどまらず、内蔵のシンセサイズ・アルゴリズムを駆使してギミック的な演奏にも応用してみたいです。さらにいつか複数台WAVEDRUMを並べてアンサンブルするのも楽しそうだなと想像しています
矢野 博康

1970年生まれ。やぎ座。大分県大分市出身
1997年Cymbals結成。
9枚のシングル、4枚のオリジナルアルバムを発表後2003年解散後、
ドラマー、作編曲家、プロデューサーとしての活動を本格的に開始する。
ロック、ポップス、ダンスミュージックまで網羅する幅広いプロデュースワークはアーティストからの信頼も厚い。