GLOBAL, CONTROL, MIC, MIDI, MIDI FILTER
microKORG2の全体的な設定を行うのがグローバル(GLOBAL)です。
例えば、シンセ・プログラムは、プログラムごとにピッチ(音の高さ)を設定できますが、このグローバルで設定するピッチ(“Tuning”、“Transpose”)はすべてのプログラムに対してピッチを変化させます。
他の楽器などとアンサンブルを行うときは“Tuning”でピッチを合わせ、また、演奏する曲を移調するときは“Transpose”で移調します。
1曲の中で複数のプログラムで演奏するような場合に、プログラムごとにピッチを変更せずに、グローバルの設定だけで変更できます。
Note: GLOBAL、CONTROL、MIC、MIDI、MIDI FILTERの設定は、GLOBALセクションを抜けたときに保存されます。
1. Tuning [430.0...440.0...450.0 Hz]
発音する全体のピッチをA4(ラの音)を基準ピッチとして0.1Hz単位で、430.0Hzから450.0Hzの範囲で設定します。
他の楽器とピッチを合わせるときに使用します。
2. Transpose [-12...0...12]
発音する全体のピッチを半音(100cent)単位で、上下1オクターブの範囲で設定します。
演奏する曲に合わせて移調するときに使用します。
3. Aux Routing (AuxRoute) [pre Mod, ..., post MasterVol]
AUX IN端子から入力する音声信号をミックスする位置を設定します。
pre MOD: Mod エフェクトの前に入力します。Modエフェクト以降の効果がかかります。
pre DELAY: Delayエフェクトの前に入力します。Delayエフェクト以降の効果がかかります。
pre REVERB: Reverb エフェクトの前に入力します。Reverbエフェクト以降の効果がかかります。
pre EQ: イコライザーの前に入力します。イコライザー以降の効果がかかります。
pre LoopRec: ループ・レコーダーの前に入力します。エフェクトの効果はかからず、ループ・レコーダーに入力音を録音できます。
post MastrVol: マスター・ボリュームの後ろに入力します。マスター・ボリューム・ノブを使って音量の調節はできません。
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post MastrVolでは、他の設定に比べて、入力音が非常に大きくなりますので、入力する音量に注意してください。 |
4. Battery Type (Battery) [Alkaline, Ni-MH]
電池の残量を正しく表示するため、使用する電池の種類を設定します。
Alkaline: アルカリ乾電池
Ni-MH: ニッケル水素電池
5. Auto Power Off (AutoP.Off) [Disable, Enable]
オート・パワー・オフ機能を有効にするかどうかを設定します。
Disable: オート・パワー・オフ機能は無効になります。
Enable: 本体を操作しない状態で2時間経過すると、自動的に電源が切れます。
1. Velocity Curve (VeloCurve) [Curve 1...8, Const Max]
鍵盤を実際に弾く強さと、microKORG2が認識するベロシティの対応カーブを選択します。
ベロシティは音量や音色を変化させることができるため、実際に弾く強さに対する音量や音色が反応する感度を全体的に調節できます。
1, 2, 3: 標準よりも反応感度が低く、強く弾くときの表現がしやすいカーブです。
4: 標準的なカーブです。
5. 6: あまり強く弾かなくても効果が得られるカーブです。
7: 中打鍵時は変化が小さく、ほぼ一定の効果が得られるカーブです。
8: 中打鍵時は変化が小さく、ほぼ一定の効果が得られるカーブです( 7 よりもフラットになります)。
Const Max: 最大のベロシティ値(127)で発音します。
Note: 7、 8 のカーブは中打鍵時の変化が小さいので、ベロシティを必要としない場合や音の強さを揃えたい場合に向いていますが、弱打鍵時の変化が大きくコントロールが難しいカーブです。選択するカーブは、ベロシティの強さや得たい効果によって使い分けてください。
2. Damper [Damper -/KORG, Damper +, LoopRec -/KORG, LoopRec +]
DAMPER端子に接続したダンパー・ペダルの機能と極性を設定します。
Note: 極性の設定が一致しないと、ダンパー・ペダルを操作しても正確に動作しません。
Note: 本機はハーフ・ダンパー機能に対応していません。
Damper -/KORG: ダンパー・ペダルとして機能します。工場出荷時の設定です。コルグDS-1H、PS-1、PS-3を使用するときに選びます。
Damper +: ダンパー・ペダルとして機能します。ペダル操作で効果が逆になるときに選びます。
LoopRec -/KORG: 演奏しながらループ・レコーダー機能で録音を行いたい場合、ダンパー・ペダルを使って録音状態に設定できます。コルグDS-1H、PS-1、PS-3を使用するときに選びます。
LoopRec +: ループ・レコーダーの録音機能に設定します。ペダル操作で効果が逆になるときに選びます。
3. Knob Mode (KnobMode) [Jump, Catch]
パネル上のEDIT CONTROLSノブが指す位置と、パラメーターでの値の範囲が一致していないときの動作を設定します。
Jump: ノブを回すと、パラメーターの値はノブが示す値にジャンプします。エディット時には効果がわかりやすいので、この設定をおすすめします。
Catch: ノブを回しても、パラメーターの値はノブが示す値と一致するまで変化しません。演奏時など唐突に音が変化しないようにする場合に、この設定をおすすめします。
例えばあるパラメーターをエディットしたら、EDIT CONTROLS 1ノブが図のような位置になったとします。
他のセクションを切り替えて、1ノブのパラメーターをエディットするとき、そのパラメーターの値が、実際の位置(ディスプレイの値)と異なる場合、その位置までEDIT CONTROLS 1ノブを回して一致させるまでパラメーター値は変化しません。
4. Display Brightness (DispBright) [1...10]
ディスプレイの明るさを設定します。
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大きな値に設定して使用し続けると、ディスプレイの寿命に影響します。 |
MIC IN CONDENSER端子、DYNAMIC端子に接続したマイク入力等のノイズ・ゲートやフィルターを設定します。
マイク入力はMICノブで設定します。
1. Gate Threshold (Gate Thres) [0...127]
マイク入力をカットするレベルを設定します。
ノイズ・ゲートは、小さい音をカットし、大きい音を通します。
マイク音量を上げることで意図しないノイズを拾ってしまうときに、ノイズ・ゲートによって“Gate Threshold”より小さいノイズをカットし、声などの意図した入力だけの音を通せます。
値を小さくすると、小さな入力でも通します。静かな場所で演奏する場合におすすめです。値を大きくすると、大きめなノイズであってもカットしやすくなります。
Note: 値を大きくしすぎると、入力された音声がカットされてしまい、ボーカル・プロセッサーの効果がかかりにくくなります。
2. Gate Speed (GateSpeed) [0...127]
マイク入力に対するゲートの反応速度を設定します。
値を小さくすると、ゲートが速く動作し、音の立ち上がりや減衰がはっきりとします。値を大きくすると、ゲートがゆっくりと動作し、意図しない音切れが起きにくくなります。
ゲートは、“Gate Threshold”の設定によって動作が変わります。“Gate Threshold”の値が大きい場合に効果がかかりやすく、値が 0 の場合には効果がかかりません。
3. High Pass Filter (HPF) [0...127]
MIC IN端子(CONDENSER、DYNAMIC)から入力した音声信号の低域部分をカットします。こもった低域の成分を通さないことで、音を軽く明瞭にできます。
4. NoteOn Threshold (NoteThres) [0...127]
“Gate Threshold”、“High Pass Filter”を経過した後の音声信号をノートとして検出するレベルを設定します。
5. Vocal MIDI Out (MIDI Out) [Disable, 1...16 Ch]
ボーカル・プロセッサーで検出した音のピッチをノート・メッセージとして送信するMIDIチャンネルを設定します。Disableでは送信しません。
Note: ノート・メッセージは VOCAL SETTING “Scale/Keyboard”がScaleの設定の場合に送信されます。
microKORG2のMIDIに関する設定をします。
MIDIとはMusical Instrument Digital Interfaceの略で、電子楽器やコンピューターの間で、演奏に関するさまざまな情報をやりとりするための世界共通の規格です。MIDI機器同士をMIDIケーブルなどで接続することで異なるメーカーの電子楽器やコンピューターとの間で演奏情報のやりとりができます。
microKORG2は、サウンドを変化させるおもなパラメーターにコントロール・チェンジ・ナンバーがアサインされており、外部MIDIシーケンサーなどでそれらをコントロールしながら音源部を発音させます。→MIDI インプリメンテーション・チャート
その他、DAWなどのMIDIクロックに、microKORG2 のアルペジエーターやLFOの周期、エフェクトのディレイ・タイムなどを同期させることができ、演奏に追従するように変化させることができます。
1. Global Ch [1...16 Ch]
グローバル MIDIチャンネルを設定します。
ノート・メッセージ、ベンド・メッセージや Timbre1のコントロール・チェンジ・メッセージの送受信に、このMIDIチャンネルを使用します。
2. Timbre 2 Ch (Timb2 Ch) [1...16 Ch]
Timbre 2のパラメーターが送受信するMIDIチャンネルを設定します。ノート・メッセージをこのMIDIチャンネルで受信すると、Timbre 2が発音します。
3. Routing [USB+MIDI, USB]
MIDIメッセージのルーティングを設定します。
USB+MIDI: 入力はUSB端子とMIDI IN端子からのメッセージを両方とも受信し、出力は両方に送信されます。
USB: USB端子のみで送受信します。
4. Clock Source (ClockSrc) [Auto, Internal, External USB, External MIDI]
アルぺジエーターが、どのクロックに同期するかを設定します。
Tip: LOOP RECORDER、LFO、DELAYにも影響します。
Auto: MIDIクロック・メッセージの入力がないときは内部クロックで動作し、入力があったときはそれぞれUSB端子とMIDI IN端子からのクロックに同期します。
Internal: 内部クロックに同期します。
External USB: USB端子からのクロックに同期します。
External MIDI: MIDI IN端子からのクロックに同期します。
Note: “Clock Source”がExternal USBまたはExternal MIDIのとき、外部からのクロック入力がない場合は、アルペジエーター、LOOP REC、LFOが停止状態になります。DELAYは“Bpm Sync”がOnの場合、BPM 30で動作します。
5. Local Control (LocalCtrl) [Off,On]
ローカル・コントロールのオン、オフを設定します。
Off: 鍵盤やホイールの操作が、音源部から切り離されます。
外部シーケンサーを接続したときに、外部シーケンサーからのエコーバック(本機を弾いたときに送信する演奏データが外部シーケンサーから本機に戻ってくること)によって二重に発音してしまうのを防ぎます。
On: microKORG2を単体で使用するときに設定します。
MIDIチャンネルと接続先の設定
外部MIDI機器を接続してデータをやり取りするときは、本機のMIDIチャンネルと外部MIDI機器のMIDIチャンネルを合わせる必要があります。以下の手順に従ってMIDIチャンネルを設定してください。
1EDIT GLOBALボタンを押して、MIDIページを表示します。
21ノブ”Global Ch”で、グローバルMIDIチャンネルを設定します。
3Timbre 1とTimbre 2を異なるMIDIチャンネルで受信して鳴らす場合は、2ノブ”Timbre 2Ch (Timb2 Ch)”で設定します。Timbre 1は”Global Ch”で受信します。
43ノブ”Routing”で、外部機器とのやり取りをMIDI端子またはUSB端子のどちらを使用するかを設定します。
5接続した外部MIDI機器のMIDIチャンネルを設定します。
Tip: 外部MIDI機器やDAWの設定については、ご使用になる機器の取扱説明書を参照してください。
外部MIDIシーケンサーやコンピューター接続時のMIDIのローカル設定
外部MIDI シーケンサーやコンピューターなどと接続する場合、外部MIDI シーケンサーやコンピューターのエコー・バックがオンで、本機のローカル・コントロールがオンの状態になっていると、本機の鍵盤を弾いたときに演奏データが外部MIDIシーケンサーに送信され、これらのエコー・バックで本機の音源が発音することになります。このように鍵盤を弾くことによる発音とエコー・バックによる発音とで二重に発音するのを防ぐために、本機のローカル・コントロールをオフにします。
1EDIT GLOBALボタンを押して、MIDIページを表示します。
25ノブ”Local Control (LocalCtrl)”でOffにします。
アルペジエーターの同期演奏
本機のテンポに外部MIDI機器を同期させる
本機のMIDI OUT端子と外部MIDI 機器のMIDI IN端子、またはUSB端子同士を接続します。
1EDIT GLOBALボタンを押して、MIDIページを表示します。
24ノブ“Clock Source (ClockSrc)”でInternalに設定すると、本機はMIDIタイミング・クロックを送信します。
3外部MIDI機器は外からMIDIクロックを受信するように設定します。
外部MIDI機器(シーケンサーやリズム・マシンなど)が、EDIT ARP Aページの“Tempo”で設定したテンポで動作します。
外部MIDI機器をマスター、本機をスレーブとする場合
本機のMIDI IN端子と外部MIDI機器のMIDI OUT端子、またはUSB端子同士を接続します。
1EDIT GLOBALボタンを押して、MIDIページを表示します。
24ノブ“Clock Source (ClockSrc)”でExternal MIDI、External USBに設定します。
本機は外部MIDI機器のMIDIタイミング・クロックを受信します。
3外部MIDI機器がMIDIクロックを送信するように設定します。
外部MIDI機器(シーケンサーやリズム・マシンなど)のテンポで本機のアルペジエーターが動作します。
また、EDIT MIDIページで“Clock Source (ClockSrc)”をAutoに設定すると、本機のMIDI IN端子に接続した外部MIDI機器、または本機のUSB端子に接続したコンピューターなどからMIDIクロックが入力されると、自動的に“External MIDI”または“External USB”として動作します。それ以外のときは、“Internal”として動作します。
Tip: 外部MIDI機器の同期に関する設定は、ご使用になる機器の取扱説明書を参照してください。
MIDIデータを送受信するかを設定します。
1. Program Change (ProgChg) [Disable, Enable]
プログラム・チェンジを送受信するかを設定します。
Disable: プログラム・チェンジを送受信しません。
Enable: プログラム・チェンジを送受信します。
2. Control Change (CC) [Disable, Enable]
MIDIコントロール・チェンジを送受信するかを設定します。
Disable: MIDIコントロール・チェンジを送受信しません。
Enable: MIDIコントロール・チェンジを送受信します。
3. Pitch Bend (PitchBend) [Disable, Enable]
ピッチ・ベンド情報を送受信するかを設定します。
Disable: ピッチ・ベンド情報を送受信しません。
Enable: ピッチ・ベンド情報を送受信します。
4. System Ex (SysEx) [Disable, Enable]
MIDIシステム・エクスクルーシブ・メッセージを送受信するかを設定します。
Disable: MIDIシステム・エクスクルーシブ・メッセージを送受信しません。
Enable: MIDIシステム・エクスクルーシブ・メッセージを送受信します。