0123456789
list icon
list icon

Features

Artists

2015.05.20

斉藤 恒芳 (KRYZLER & KOMPANY)「KRONOS & SV-1」インタビュー

──これまで使ってこられた楽器を教えて下さい。

M1のモジュールも使っていましたが、15年前くらいから家のラックにTRITONのモジュールが入っています。去年KRONOSを買って、ライブではSV-1。SV-1はオルガンがことの外良い音です。確かにピアノ鍵盤だけど、グリッサンドも元々ピアノでやっていたので大丈夫。ケースに入れるとものすごく重いですけど、昔の楽器に比べればね。昔はキーボード4台にラック音源は20U(※3)とかでしたし。レコーディングのときは20Uのラックを3台とか持って行きましたけど、今は(USB)スティック1本で手ぶら(笑) 10年くらい前からスティック1本でできたと思うんだけど、お手軽に作っているとクライアントに思われちゃうので、わざわざ見せもののように機材を持って行きました。

※3:横幅19インチ・ラック・マウントの縦の段数。

──コルグのイメージは。

僕のコルグの一番のイメージはM1で、その流れでTRITON。「ボトムをしっかり支えてくれる」イメージでしょうか。今回のクライズラーもですけど「シンセ音バリバリ」という感じではないので「しっかり支える」「味付け」「ときどき縫うように聞こえてくる」シンセの音、そういうときにコルグはいいですよね。

──コルグにこんな楽器を作って欲しいというリクエストなどありましたら。

二段鍵盤とか嬉しいかな(笑)ライブだとスプリットは使うんですけど、例えばクラビのバッキングをしているときにシンセの音を入れるのに、別の楽器を用意しないで1台になっていたら嬉しい。

──では機材はこのくらいにして、新生クライズラーについて。このタイミングで再結成することになった経緯は。

なんとなく、そろそろいいかなとか(笑 5年前の「結成20周年」のときはタイミングが合わなくて25周年(笑) 世の中の音楽の流れからまたあの曲を今、演りたいって3人が思ったんです。だからアレンジは昔のまま。そのまま演って今の時代でも大丈夫だと思いました。

──クライズラーの曲を組み立てていく上で、みなさんの役割は?

誰か1人がガチガチに決めてきても「この音ヤダ」とか崩されますし(笑) 結局は3人で寄ってたかってあーだこーだ言いながら作り上げる感じです。

──新作『NEW WORLD』を作ってみての印象は?

ここ(※CDジャケット)に「よみがえる」って書いてあるけど、本当に記憶がよみがえる感じでした。今回は大人になったかな。例えば昔は、言われたことに頑なになっちゃうことがあったけど、今だと僕はもう「これ以上、音を足すことはないな」と思っているときに、葉加瀬が「ここにアコピを入れた方がいいよ」と言われても、何を入れようか試す余裕ができてきました。

──『NEW WORLD』には以前の曲も新たに収録されていますが、変わった部分は?

各々のソロとかは変わっています。あと昔やっていたときは同じアルバムでも、この曲はジャズ風でビックバンドで演奏、この曲はシンセまくっているとか、極端に振っていたことを意識はしなかったんですけど、今回は音色感も質感も同じ方向にどれもまとまっている感じです。

──メンバー同士の印象は変わられましたか?

何も変わらないのが逆に不思議(笑) 「三つ子の魂百まで」ってホントだなって。ずっと同じものを好きなのは年をとっている証拠なのかも。

──ツアーについて。

昔、来てくれた人には「ああ、こんなライブに来ていたんだな」って懐かしがって欲しいし、全く新しい人には、ちょっと新しい聴き方ができるんじゃないかと思います。ライブの仕掛けってどんどん派手になって行っているので、視覚的なものが音楽を聴くよりも占めているんです。でもどんな音楽聴いたんだっけ?ただ「行った」という記憶だけしか残らない。おじさん5人がうまくやって「音楽を聴く」っていうコンサートをみんなに感じて欲しいです。

──斉藤さんにとってのクライズラー&カンパニーとは。

高校生の頃にバンドをやっていた頃は、きっと「自分の音楽」をメンバーに押し付けていたんです。クライズラーでやったときは、3人が3様で3分割して1曲を作り上げるので、「足して1つになる」のが始めた頃はすごく新鮮だったんです。それがまたずっと1人になって曲を作っていて、また3人でやるっていうのが「共同作業の妙」というか。3人で作るってことが、自分にとって大事なことです。

斉藤恒芳
7歳よりクラシックピアノ、9歳にして作曲を始め、各コンクールで少年ピアニストとして注目される。東京芸術大学・音楽学部作曲科卒業。96年、“クライズラー&カンパニー”解散後は、渡辺美里、石井竜也、中西圭三などのアーティストの編曲、プロデュースをする傍らソロ・アルバム「リラクシング・ピアノ」をリリース。また牧阿佐美バレエ団「ガーシュインの夢」、ミュージカル「不思議の国のアリス」「ロスタラントス」、「アルジャーノンに花束を」ロックオペラ「ハムレット」「ユイット」などの劇音楽、映画音楽をはじめ、資生堂、日産、などのCM音楽や、「蒼穹のファフナー」「電脳コイル」「プリパラ」などのアニメ作品や「仮面ライダーキバ」の劇伴やテーマ音楽まで幅広く作曲活動を行う。99年、宝塚歌劇団宙組公演「激情」で文化庁芸術祭優秀賞を受賞。2001年2月、クラシックに限らずあらゆるジャンルの音楽を担当し、プロデュース・アレンジ・楽曲提供を重ね新たな世界を追及し続けている。

斉藤恒芳 オフィシャルサイト
http://www.spacecraft.co.jp/saito/
KRYZLER & KOMPANY OFFICIAL WEB
http://kryzler-and-kompany.com/

NEW WORLD / KRYZLER & KOMPANY

2015.2.25 RELEASE
UCD-10178 価格¥3,000(税抜)
発売元:株式会社ハッツアンリミテッド
販売元:エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ株式会社
試聴リンク:http://kryzler-and-kompany.com/cd_audition.html#id0

TOUR INFORMATION

◆5月21日(木)東京 かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール THANK YOU SOLD OUT!!
【問】かつしかシンフォニーヒルズ 03-5670-2233
◆5月22日(金)富山 オーバード・ホール
【問】エンタメ・スタイル 076-256-5538
◆5月24日(日)広島 ふくやま芸術文化ホール・リーデンローズ
【問】リーデンローズチケットセンター084-928-1810
【問】キャンディープロモーション 082-249-8334
◆5月27日(水)静岡 三島市民文化会館
【問】三島市民文化会館 055‐976‐4455
◆5月29日(金)愛知 愛知県芸術劇場 大ホール
【問】サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
◆5月30日(土)大阪 オリックス劇場
◆5月31日(日)大阪 オリックス劇場

【問】キョードーインフォメーション 0570-200-888
◆6月 5日(金)福岡 福岡シンフォニーホール(アクロス福岡)
【問】キョードー西日本 092-714-0159
◆6月 7日(日)兵庫 神戸国際会館 こくさいホール
【問】キョードーインフォメーション 0570-200-888
◆6月 9日(火)東京 日本武道館
【問】キョードー東京 0570-550-799

チケット:全席指定8,000円(税込)

※入場年齢制限は、各公演により異なりますので、各公演のお問合せ先へご確認ください。