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2014.04.01

佐藤敬一朗 (東京佼成ウインドオーケストラ)「TMR-50」インタビュー

 

東京佼成ウインドオーケストラや、Twilight Trombone Quartetの若きバストロンボーン奏者として活躍中の佐藤敬一朗さんにTMR-50を試して頂き、レコーディング機能を中心におススメポイントや、自身の練習に対する考え方などを語って頂きました!

掲載日:2013年1月23日

今日は宜しくお願いします!ついに東京佼成ウインドオーケストラ(以下、佼成)の方にインタビューする日が来た!って感じですね(笑)。聞きたいことは沢山ありますが、まず、楽器を始めたきっかけから教えて下さい。

佐藤敬一朗(以下S):吹奏楽部ですね。中学2年生からバストロンボーンです。1年生の時は小さかったのでテナーを吹いてたんですけど、中二でバストロンボーンに変わって、その魅力に取りつかれて(笑)。そのままずっとバストロンボーンです。

プロになるというか、藝大を目指そうと思ったのもその頃ですか?

S:僕は高校3年生の冬ですね。実は遅いんです。高校3年生の冬に、トロンボーンのコンクールがあったんですけど、それで入賞させて頂いたのがきっかけです。それと会場で、当時藝大に在学している方から「藝大を受けないか?一緒にアンサンブルしよう!」って誘っていただいたことで大きく心が揺れましたね。沢山の人に迷惑をかけてしまいましたけど、進路を変えて、浪人して藝大を受けることにしました。その時誘っていただいた方とは、実は今、カルテット(Twilight Trombone Quartet)で一緒に活動していて、CDも出してるんです。来年の春に2枚目が出るんですけど。

おお!CDの発売おめでとうございます!楽しみにしています。高校3年生の冬に進路を変えて浪人するって人生を変える大決断ですよね。その決断があって佼成に。入ってみていかがですか?

S:とにかくサウンドが素敵だなと思います。ホール、空気、指揮者の動き、それが一緒になった時に、あー音楽やってて良かった!って思う瞬間があって、本当に所属出来たことを誇りに思っていますね。あとみなさん人が良いので居心地が良いです(笑)。

どんな練習をすれば佼成に入れるんですか(笑)?

S:僕は、ずっと、ひたすらに、我武者羅な練習派でしたね(笑)。吹けないなら何時間でも吹こうっていうタイプだったんですけど、佼成に入って演奏活動をするようになってから、これじゃダメだってことに気付いて、変えていきましたね。

どんな風に変わりました?

S:学生の頃は毎日夜遅くまで何時間も練習して、松屋で牛丼食べて帰るって生活をしてたんですけど(笑)。佼成に入って、そういう生活が出来なくなって、効率とか、練習の質を考えるようになったんです。もっと短い時間で上達する方法もあると思って。だから練習する時間を決めて、その枠で収まらなかったら、その日は諦めることにしました(笑)。

「その日は諦める」って実は大切なことだと思うんです。でも難しいですよね。指導者の中には出来るまでやれ!って教える人もいますし、逆に出来ないと選抜に選ばれない…みたいな強迫観念を持っていたりするんですよね。

S:「こうしなさい」っていうことが絶対になってくると、楽しくなくなっちゃうと思うんですよね。ミスしちゃいけないとか、言うとおりに演奏しようとか、 もちろんそれも大切なことだと思うんですけど、 それにとらわれすぎると楽器を吹くことや、音楽を楽しむ余裕がなくなってしまう気がするんですよね。ある意味、佼成 とかはいろんな音楽を好きになる入口の一つだと思うんです。吹奏楽をやっている人達が、オーケストラや、ジャズはもちろん、どんなジャンルの音楽であれ、生涯の趣味として音楽を続けていけるカタチが出来ていけばいいなと思うんですよね。
結局、楽器をやめちゃって、吹いてたことが思い出話になっちゃうのって寂しいじゃないですか。楽器を吹くことがずっと楽しければ続けれると思うんです。上手くなれば楽しいですしね!

そうなんですよね。だから、楽しくなる為に、上手くなる本当に効果的な練習方法を提案していけたら良いと思ってるんです。今回使って頂いたTMR-50もそうなんですけど。

S:このTMR-50、ずっと譜面台に置いたまま、イヤホンして録ったり聴いたりして使ってみたんですけど、音がすごくいいですね!特にイヤホンで聴くとアタックの感じや音色も分かりやすく聞けるし、良いですよね。一番驚いたのは、これ、録音した音にチューナーが働くんですよね、それがびっくりしました!

ありがとうございます!さすが、良い所に気付いて頂いて(笑)。録音した音を音色だけじゃなく、正しい音程を確認しながら聴き返せるのは本当に効果的ですよね。もっと吹奏楽部に「録音する」ということが浸透すれば良いと思いますね。

S:僕自身、佼成に入る前もオーディションの曲を片っ端から録音して聴いていましたが、自分ですごくうまくいった!と思う演奏も、聴き直すと全然だめだって時もけっこうあるんですよね(笑)。高校の部活は、先輩や先生が練習方法を示したら、ある程度それに沿って練習するじゃないですか。そういう所にTMR-50のような機器が入って、パートで一個とか一人で一個とか持っておいて「じゃあ録音します!」ってことが普通になれば色々なことに気付けますよね。自分やパートで吹いた結果を受身じゃなく自分からフィードバックして良くしていけるってことが重要じゃないですかね。

確かにその通りですよね。録音して聴くことで本当に沢山のことに気付きますし。

S:僕自身、録音すること自体に壁があった時期があるんです。自分の演奏を客観的に聴くことが怖いというか。だから手軽に録音出来るTMR-50のような機器があるってことは本当に良いことだと思います。

ありがとうございます!録音した音を客観的にという意味で、ニュー・サウンズ・イン・ブラス( 以下NSB )を録音してご自身で聴いた時はいかがでしたか?ほとんどの吹奏楽出身者がお世話になっていますよね。吹奏楽に楽しさを吹き込んでくれたのはNSBだと思いますし、佼成の演奏だと思います。

S:そうですね、最初にNSBに参加した時、萩谷さん(元東京佼成ウインドオーケストラ首席トロンボーン奏者)の隣で吹いたんですけど、「うわー!NSBで吹いてた人の隣で吹いてるんだ!」って感慨深かったですよね。ずっと聴いていたサウンドに自分の音が混じっているっていうのが感動というか感慨深かったです。自分が参加してるんだ!っていう。

そんなずっと聴いていた佼成に入ることが決まった時はどんな気持ちでした?

S:泣きましたね(笑)!!!

そりゃそうですよね(笑)。これからも、長く佼成のバストロンボーン奏者として活躍して下さい!それでは最後に、今後の目標があれば教えて下さい。

S:自分の演奏をTMR-50で録音してみると、いろんなことに沢山気付けますし、そこから浮かんだアイディアを取り入れながら日々成長していけたらいいなと思います。

ありがとうございました!!



撮影協力:Umewaka Salon

KORG TMR-50を語る。〜 佐藤敬一朗 (bass trombone) 〜

佐藤敬一朗(Satou Keiichirou)

宮城県利府町出身。 2011年、東京芸術大学卒業。在学中よりフリーランスとしての活動を開始し、都内を中心に日本各地のオーケストラや室内楽、音楽祭などで演奏活動を行う。2009年小澤征爾音楽塾オペラプロジェクトX参加 。第12回日本トロンボーンコンペティション第3位。これまでにトロンボーンを秋山鴻市、石川浩、菊池公佑の各氏に師事。現在、東京佼成ウインドオーケストラ、 Twilight Trombone Quartetバストロンボーン奏者。