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2014.04.01

南波志帆 with 矢野博康「KAOSSILATOR」インタビュー

さて、南波さんと言えばステージでのKAOSSILATORの演奏が印象的でもあるんですが、使い始めたキッカケを教えてください。

南波:結構初期のライブの頃から使っているんですけど、ライブをしていく中で、私も歌以外に何か楽器で音を出せたらと思っていたんです。でもキーボードやギターはすでにやっている方が沢山いらっしゃいますし、皆さんすごく上手ですから、もっと違う楽器を使ったら面白いんじゃないかなと思っていた時に、ライブのサポートをしてくださっていたキーボードの方が、たまたまKAOSSILATORを使っていらして、「それ何ですか!」と飛びついて。一度その方のKAOSSILATORをお借りしてライブをやってみたらすごく楽しくて、「これなら私もできるかも」と思って使い始めたのがキッカケですね。ちょうどその時に限定でピンクのKAOSSILATORが発売されるっていう情報をキャッチして、すごく探しましたね(笑)。「ピンクじゃなきゃやだ!」って(笑)。

矢野:すごい探してたよね(笑)。

南波:キーボードの方からお借りしたのが通常バージョンの黄色だったんですけど、「私はピンクじゃないとやだ!」と思ったので、ネットとかで色々調べて走り回ってピンクをゲットしたんですよ(笑)。それからずっとライブで使っています。

ピンクはレアですからね。

南波:そうですよね。しかもこのショッキングピンクの色がすごく可愛くて、アクセサリーで遊べたりするところも好きです。

矢野:最近はKAOSSILATOR PROとの2台使いで。例えばイントロとか間奏とかで、KAOSSILATOR PROでビートを出しつつ、KAOSSILATORでキー設定しておいてソロっぽい演奏をするパートを32小節ぐらい与えて(笑)、その中で自由に演奏したりしてるよね。

南波:そうなんですよ。オモチャっぽい、ゲームっぽい音でピュンピュン遊んでみたりとかよくやります。あとKAOSSILATORを使ってビートを出して、DJっぽいことをしたいと思ったんですよね。その時にKASSILATOR PROが発売されているってことを知って。当時まだ高校生だったんですけど、渋谷の楽器店にひとりで行って。高校生だってことがバレたら店員さんになめられてしまうと思ったから(笑)…、

矢野:PROを買いに行ったからね(笑)。

南波:そうですPROですから(笑)。だからなるべく自分のできる限り低い声で「これちょっと試してみたいですけど」と言って(笑)、その場で試してみたら面白くて「これのピンクはないんですか?」と店員さんに聞いたら「ないですねぇ」って迷惑がられながら(笑)。KAOSSILATORの時と同じで、自分のお小遣いで買いました。

ありがとうございます。

南波:スタッフにも内緒で買ったんで、ライブリハの時にいきなり持って行ってスタッフの皆さんビックリという感じでした(笑)。

そうなんですか!南波さんが持ってきた時はどうでしたか?

スタッフ:ビックリしましたよ。相当ドヤ顔で持って来ましたから(笑)。

南波:しかもPROやで!って(笑)。

矢野:PROだと、タッチパッドが分割されてるんでバミれるっていうメリットがありますよね。将棋みたいに「じゃあ三の八からスタートね」ってできますから(笑)。

南波:今日持ってきたKAOSSILATOR PROも、ちょっと前までバミってたんですけど、今日はカッコつけて外してきました(笑)。でもPROを導入してから幅が広がりましたね。前はKAOSSILATORを曲中にオカズ的に使うことが多かったんですけど、PROを使い始めてからは、曲の頭にビートを出して、バンドメンバーの皆さんとセッションぽいことをしてから曲に入ったりとか。そんな風に自分で音楽を作っていけるんで、より自己発信のツールとして使えますね。

南波さん、完全にミュージシャンですね。

南波:キラーン!(笑)

制作ではお使いですか?

矢野:僕も持っているので、使ってますね。打ち込みではなかなか表現しづらい、ハープのグリッサンドのような動きのある音は、KAOSSILATORでキメっぽく入れたりしてます。あと、南波さんのライブではないんですけど、ドラムセットの横にKAOSSILATORを置いて、ランダムにパーカッションを鳴らしたりとか。『ごめんね、私。』ではピアノの音にKAOSS PADでエフェクトをかけたり、結構使ってますね。

そこで最新のmini kaoss pad 2とkaossilator 2ですが、印象をお聞かせください。

南波:まだ勉強中で、その道のプロにはなれてないんですが…(笑)。

矢野:これ、ディスプレイの解像度がすごく高くてきれいですね。

南波:しかもこれiPod的な、音楽プレイヤーとしての使い方もできるんですよね。

矢野:mini kaoss pad 2がエフェクターでkaossilator 2がシンセなんですよね(と言いながらkaossilator 2を触る)。あ、この音いいですよね、(オシレーター)シンクがかかってる感じの。コルグのシンセは、MS2000ぐらいからこういう音が入ってて好きですね(と話す間もどんどん演奏)。キーを設定すると何やってもソロっぽくなるし。ガジェットっぽくて良いよね。DJセットにつないでも面白いですよね。ナウい感じ(笑)。

南波:(笑)ナウい(笑)。マイクも付いているんですよね?

付いてます。mini kaoss pad 2は、歌声にエフェクトをかけたりもできますよ。

南波:ボコーダー的なのもできるんですか?ちょっとやってみたいです!(mini kaoss pad 2を手に取って)コンニチハー。

矢野:地声はロボっぽく言わなくても良いんじゃない?(笑)

南波:あ、ついつい(笑)。コンニチハー、ナンバシホデース!

矢野:パッドの左のほうを触れると低い声になるんじゃない?

南波:コンニチハー。あ、ホントだ!低い声に憧れていた時期があったから、これでついに実現できました!(笑)

色々遊べそうですね。イタ電とか…(笑)。

南波:悪質ないたずらができそうです(笑)。

矢野:いいねぇ(笑)。

南波:楽しいですね(笑)。

kaossilator 2はループ・レコーディング機能も付いてますから、マイクで録れるんですよ。RECボタンを押しながら喋ってみてください。

南波:ワレワレハ、ウチュウジンダ…。(喋った声がループする)

矢野:パッドの反応も良いですね。(ひたすらパッドを触る)

南波:KAOSSILATORは小さくて持ち歩けますから、普段ライブではギターソロとかベースソロと同じように、私はステージを移動しながらKAOSSILATORソロをやるんですよ、メンバー紹介の時とかに。一方、KAOSSIALTOR PROはドシッとしていて、立ったままカッコよくパフォーマンスできますから、それぞれ違って楽しいですね…って矢野さん、没頭してますね(笑)。

矢野:面白いんでハマってしまいました(笑)。ダンス・ミュージックを作るならほんとこれでできちゃいますね。ポップスを作るのは大変だろうけど。

南波:あと初代KAOSSILATORは、電源切ったら消えちゃうという刹那的なところが良いですよね。パッパと切り進んでいく感じが。

矢野:何でもあると、使わないしね。

かっこいいですね。

南波:かっこいいですよね。私、KAOSSILATORって未練がましくない女ってイメージがあるんです(笑)。

ピンクの人、結構サバサバしていますよね。

南波:サバサバしていますね(笑)。

他にiPhone版のiKaossilatorもあります。

南波:そうですよね。

矢野:コルグ、アプリ多いですよね。あれは良いと思うなぁ。

南波:iPhoneとかiPadのアプリから入れば、誰でも手軽に楽しめますよね。

矢野:最近、コルグはエントリーものがすこく充実してますよね、monotronとか。ルックスはDUOのブルーが好きですね、Mono/PolyとかPolysixの頃の感じがして。アナログっていうのが良いよね、結構ヤバイ楽器ですよね(笑)。やたらといじりたくなるインターフェイスだし。

南波:ルックスがかわいいですね。(二人ともmonotronにしばらく没頭)

他にチャレンジしてみたい楽器などはありますか?

南波:microKORGとかは試してみたいと思いますね。でも何せ使っている人が多いですから…。

矢野:WAVEDRUMとか、WAVEDRUM Miniとか良いんじゃない?

南波:あ、私ドラムっぽいのもやってみたいんですよ~!クリップセンサー、ライブで使ったら面白そう!

矢野:あ、そう言えば『Choice』の1曲目(『I’M IN THE MOOD FOR DANCING / THE NOLANS』)のリード音はmicroKORGなんですよ。(と言いながら再びkaossilator 2に没頭し…)あ~、ずーっと遊んでしまう…(笑)。

これからもKAOSSILATOR道まっしぐらで。

南波:はい、その道のプロになるようがんばっています。

矢野:KAOSSILATOR PROのプロに(笑)。

南波:なんかきれいにハマらないけど…(笑)。kaossilator 2、mini kaoss pad 2はサイズも良いですよね。手のひらにちょうど合う感じで。触っていてイカつくないじゃないですか。ポップだし。使っていても楽しいですね。KAOSSILATORをライブで使っていると、対バンの人達が「何それ?」と皆興味を持って寄ってきてくれますね。そこから会話が始まったりして、お友達を作れる機材にもなっていますね(笑)。

KAOSSILATORでよく使う音色にはどんなものがありますか?

南波:まずは68番(S.68「Missile」)ですね。あとは65番の音色(S.65「8bit Game」)は『サンダル』という曲のアウトロでメンバー紹介をしつつ、その音色でガーっと盛り上げて最後にバン!と切ったりとか、あとは…

矢野:デケデケデケデケ…ってやつは?

南波:あ、デケデケはKAOSSILATOR PROですね。184番(P.184「Robo」)かな?

矢野:Kraftwerkみたいな音色。

南波:(笑)確かに。その音色は『それでも言えないYou & I』の頭で鳴らして盛り上げてから曲に入るっていう使い方ですね。

矢野:リード音みたいなのも使ってるよね。

南波:KAOSSILATOR PROのほうですね。最近よく使っています。34番(L.034「3octave Lead」)だったかな?

矢野:割とトランシーな感じの音だよね。

南波:あ、34番じゃなくて38番(L.038「XMod SawLead」)かな?あと61番(S.061「Rise & Fall」)も使っていますね。私、60番代好きだな(笑)。

矢野:kaossilator 2に慣れたらこっちのほうも良いよ。液晶表示がしっかりしてるから、スケールとかも番号じゃなくて「Ionian」とか名前でちゃんと表示されるし。鍵盤の表示もあるし。まぁ初代KAOSSILATORは初代の良さもあるけどね。

南波:初代はルックスもかわいいですよね。私、KAOSSILATORのプレイヤーばっかりを集めて“カオシレーターズ”というバンドをやってみたいですね(笑)。

5人で戦隊モノみたいに皆それぞれ色が違ったり。

南波:(笑)そういうのができたら面白いな。

「カオシピンク!」って感じですね?(笑)

南波:(笑)シャキーン!みたいな感じで(笑)。その登場SEもKAOSSILATORで鳴らして(笑)。メンバーがそれぞれドラムだったり鍵盤っぽい音だったりを担当すればできそうですよね。そういうのをライブの合間にやったりしても面白いし、ライブのオープニング・アクトでカオシレーターズとかができたら、えぇなぁ~と妄想をしてますね(笑)。

これからますますKAOSSILATORシリーズが活躍しそうですね。

南波:そうですね。レコーディングでもどんどん使っていきたいですね。